一度、腸に溜まった老廃物や毒素を排出してしまう「断食」は、賛否両論がありますが、肥満などの治療で、厳格なダイエット療法を行っている時に、取り入れると、健康度が増すことが、オーストラリアの最新情報でわかってきました。
詳細を見てみましょう。
肥満治療時は断食を時々いれると健康度もUP?
オーストラリアのアデレード大学の研究で、、88名の肥満女性の治療に行ったダイエットの経過を観察しました。
肥満の治療では食事制限を伴うダイエットが必須ですが、長期間に及ぶため、食事制限のルールを順守するのが難しく、失敗に終わることが多いのも難点ですね。
そこで、研究チームは、一定期間に時々断食を行う「間欠的断食」を取り入れ、その経過を観察したのです。
対象となった88名の女性は全てBMI(肥満度指数)が25~40の肥満女性で、年齢は35歳~70歳でした。
そして4つグループに分けられました。
- 間欠的断食 70%
断食を行わない日は制限食を腹7分まで食べてOK - 間欠的断食 100%
断食を行わない日は制限食を普通に食べてOK - 制限食を腹7分だけ食べてOK
- 対照群(制限食を普通に食べるグループ)
※3と4のグループの人たちは、比較対象のため、断食を取り入れないグループの人たちです。
食事内容は全員、制限食で、脂質35%、タンパク質15%、炭水化物50%にコントロールされていたということです。
その結果、1の時々断食日を取り入れながら、制限食を腹7分に留めていたグループの人たちの体重、体脂肪、総コレステロール、LDL-コレステロール、それぞれの数値が有意に低下したそうです。
すなわち、健康度が大幅にUPしたということですね。
しかし、2のグループは、断食を時々取り入れていたにも関わらず、断食日以外の日は、制限食を普通に食べていたため、食後高血糖が見られたとのことです。
それでも3と4のグループの人たちよりも、体重や体脂肪は有意に落ちていたということです。
※参考:『肥満学』2018年12月
お腹いっぱい食べることもカラダを太らせる!?
研究では、対象者が、肥満の治療中の女性たちでしたが、ヒトが太っていくメカニズムは同じなので、ダイエットに興味がある方は、大いに参考になりそうですね。
この研究により、断食効果もさることながら、お腹いっぱい食べることも、健康度が下がることもわかりますね。
断食をせっかく取り入れても、それ以外の日に、お腹いっぱい食べていてはダメということです。
肥満の治療とまではいかなくても、お正月太りなどで、早く体重を落としたい人は、日頃の食事を腹8分(できれば腹7分)にしたうえで、土日などの休日を利用してプチ断食を行うのが良さそうですね。
丸1日かけての断食が辛い人は、一時的に夜だけまたは朝だけなど、一食だけ断食するのもいいでしょう。
ダイエットは一度、カラダの中の老廃物や毒素を出してしまうのが、やはり基本といえそうですね。