数年前に『8時間ダイエット』という食事法がアメリカを中心にはやり、日本でも翻訳本が出ましたね。
その後、10時間制限でも十分に効果があるとして『間欠断食』という名で、アメリカでは糖尿病の食事療法として取り入れられているそうです。
『間欠断食』、今後日本でも定着してくるかもしれません。
詳細を見てみましょう。
『間欠断食』とは?
1日の食事は朝食からはじまり、夕食に終わりますね。
しかし、早朝から朝ご飯を食べ、夕食は寝る前に!? そしてランチやスイーツと、ダラダラ食べてしまっている人が多く、それが原因で生活習慣病が増えています。
そこで、朝食を摂る時間を遅めにして、夕食はできる限り早い時間に済まし、その後一定の空腹期間を設けることを「間欠断食」といい、アメリカでは医療現場でも取り入れています。
すなわち、1日の食時間を10時間以内に収めてしまうのです。
『間欠断食』12週間継続でメタボが改善!?
アメリカのソーク研究所の調査によると、この「間欠断食」を12週間実地したところ、メタボであった対象者の体重が減り、症状が緩和または改善することがわかってきました。
これまでの研究でも、「間欠断食」の研究は行われていましたが、マウスでの動物実験や、メタボや生活習慣病の心配がない健康な人たちにおいて、その効果は確認されていました。
しかし、実際のメタボ患者に対して有効かどうかの調査ははじめてであったそうです。
「間欠断食」は糖尿病リスクも低減?
そこで、この研究では、「糖尿病」「心疾患」「脳卒中」のリスクが高まる『メタボリック症候群』と診断されている患者さんたちを対象に「間欠断食」の食事療法を開始!
19名のメタボ患者に、3ヶ月「間欠断食」を実践してもらいました。
対象者はまず、1日の最初の食事から最後の食事までを10時間以内に済ませるよう、指導されました。
しかし、「何時にどんなものを食べるか」という指導は行わず、対象者の自由としました。
参加者のほとんどが「肥満」とも診断されており、何らかの病気で薬の服用もある人たちばかりでした。
そして、迎えた12週間後は!?
対象者は平均体重が3%減少し、腹部脂肪も平均3%減少していたのです。
そして全体にコレステロール値と血圧が低下し、空腹時血糖値も改善していたとのこと!
これにより、有意に糖尿病リスクが低下したとのことです。
朝食と夕食の理想時間は?
調査の結果、対象者の食事スタイルは、起床後約2時間後に朝食を摂り、そして就寝前の3時間前までには食事を終えていたそうです。
睡眠時間を何時間とるかにもよりますが、起床後すぐの朝食や、寝る前の夕食はやはり身体に悪いことがわかりましたね。
「間欠断食」は睡眠の質も高める?
また、研究者によると、対象者の約70%が、睡眠満足度があがり、そして睡眠量も増えており、「間欠断食」は『良質な睡眠』をいざなうこともわかった、と述べています。
※参考:『細胞代謝作用』
さいごに
この調査では、特に食事内容については指導がなされていませんでした。
仮に、脂っこい物やスイーツを食べていたとしても、1日の食事時間を10時間以内に収め、14時間ほどの空腹時間を保つことで、生活習慣病が防げるのなら嬉しいですよね。
ついつい食べ過ぎてしまう人、お腹いっぱい食べないと気が済まない人、スイーツ癖が抜けない人は、食べたい物をガマンせず、食べる時間帯を調整する「間欠断食」で体調管理を行ってみてください。