以前から、医師や管理栄養士の指導のもとで断食をすると、ほとんどの病気が快方に向かうと言われていました。
こうした断食療法に、ビタミンCを加えることで、ガン療法にもなるかもしれません!?
アメリカの最新研究を見てみましょう。
プチ断食×高濃度ビタミンCでガンを退行?
アメリカの南カリフォルニア大学は、「断食風食」と高容量ビタミンCの組み合わせによる食事法で、特定のガン治療に効果的だと発表しました。
まだ動物実験の段階とのことですが、食事を断食に近い状態の断食風食(以下プチ断食)にすると、食品からの毒性が体内に入らない上、抗酸化物質であるビタミンCで侵襲性の高いガンの進行を遅らせたり、退行する効果が期待できるとのこと。
断食は免疫細胞を活性させる?
断食に近い食生活を一定期間続けると、体内では「食べ物の消化や代謝」にエネルギーを使わずにすみ、細胞を反応させることができます。
プチ断食の期間中は、野菜などの低カロリー(ドレッシング無し)食でビタミンCをきちんと摂取するようにすると、ガン細胞など、疾患を引き起こす細胞が体内で生きにくくなり、体内の悪い細胞は退行するようなのです。
マウス実験の結果によると!?
研究では生体実験のため、マウスを用いた検証を重ねました。
プチ断食またはビタミンCのどちらかだけでも効果が現れ、ガン細胞の増殖が減少し、ガン細胞の死滅もわずかに増加したとのこと。
しかし、プチ断食とビタミンCの両方を組み合わせたマウスは、劇的にガン細胞の増殖がストップし、ほぼすべてのガン細胞死滅に成功した。
という結果になりました!
大腸ガンや乳ガンに有効か?
ガンの中でも、最も困難なガン細胞は「変異を持ったガン細胞」です。
「KRAS遺伝子」とも呼ばれる細胞で、この細胞を持つガンにかかった患者の生存率は、極めて低いことも知られています。
「KRAS遺伝子」をもつガンは、人間がかかるガンの約1/4を占めるそうです。
代表的なガンでは「大腸ガン」があります。
これまでこうしたガンは「ビタミンC療法」(アメリカの場合)が試されていましたが、食事からの有害物質が邪魔して、生存率を高めることができませんでした。
そこで、ビタミンCを有効に使うために、一定期間だけ野菜のみなどのプチ断食で食品からの有害物質を避けると成功すると考えられ、マウスで検証が重ねられたのです。
結果は前述の通りで、乳ガンに侵されたマウスでも、同様の結果が見られたとのことです。
さいごに
研究者たちは、抗ガン剤治療など、副作用や患者に苦しみを与えるガン治療を目指し、今回の発見につながりました。
※参考:『ネイチャーコミュニケーション』
空腹に耐えることも苦痛かもしれませんが、期間を決めて、体内を一度クリーンにした状態で、ビタミンCを摂取すると、ガンだけではなく、あらゆる病原菌の撃退に役立つとのこと。
苦しい治療よりも、一定期間だけ空腹に耐え、野菜のみの生活を送る勇気を持ちたいですね。