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パプリカが赤くなる工程とは? ドイツ・植物学研究

赤いパプリカは、甘くて美味しいですよね。
同じ仲間なのに、ピーマンは嫌いだけど、パプリカは好き! という方も多いことでしょう。
ドイツの最新・植物学研究で、パプリカの赤い色素の正体がわかってきました。
詳細を見てみましょう。

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パプリカが赤くなる工程は?

ドイルのルール大学ボーフム校の研究により、パプリカが赤くなる理由が解明されました。
パプリカは栽培の過程で、最初は緑です。
その後、オレンジ色を経て、真っ赤に実ります。
見た目には極めて、明瞭な変化ですが、パプリカの中で、何が起きて、赤くなっているのでしょうか?
不思議ですよね……!?

パプリカの色変化の正体は?

パプリカの色変化は、緑の色素成分でもある「クロロフィル」とデンプンが豊富な状態の時に起こります。
その時、パプリカ内は、光合成活性が高い状態にあります。
その状態からカロテノイドが豊富な非光合成果実へと成熟していきます。
この変化が、細胞内器官である色素体で行われることで、実が赤くなるのだそう!

色が赤くなる工程「プロプラスチド」とは?

パプリカが赤くなるには、前駆体の『プロプラスチド』の存在が大きいとのこと。
この物質は未分化で、組織の環境信号に応じて、異なる色素体に変化させる役割があるそうです。
多くの果物や野菜が、ここから有色体が分化しています。
その有色体は明るい色を持っていることが多いため、赤くなるのだとか。

パプリカでは『プロプラスチド』が、まず光合成活性のある葉緑体「クロロプラスト」に分化し、その後、カロテノイドが豊富な有色体に変化しているようです。

トマトの色変化も同様?

トマトが赤くなる工程も、パプリカと類似しています。
しかし、トマトとパプリカには大きな違いがあります。
トマトは、収穫後も熟成を続ける「クライマクテリック」と呼ばれる変化を起こす果実です。
クライマクテリックとは、大量の酸素を消費しながら、呼吸活性の増加を伴います。

パプリカはクライマクテリックを起こさない

パプリカの場合は、トウガラシやピーマンの仲間で、これらの野菜は「クライマクテリック」を起こしません。
その理由は、緑のピーマンやトウガラシに多く含まれる「クロロフィル」の存在です。
パプリカにもクロロフィルが豊富な葉緑体があります。
そして、前述した光合成貯蔵物であるデンプンも大量に含んでいます。
そのため、クライマクテリックの現象は起きないのだそうです。
※参考:『植物雑誌』

さいごに

同じ赤い野菜でも、赤くなる工程は違うものなのですね。
野菜によって味や特徴が違うように、色の成り立つ過程も違うことがわかりましたね。
色素成分は、栄養や機能性に関わり、私たちの健康を支えてくれる成分です。
どうしてパプリカが赤いのか? たまには身近な食材の成り立ちを考えるのも楽しいですね。