加齢とともに筋力が低下してくるので、体内のタンパク質量を増やしたい場合もあることでしょう。
そんな時、大豆製品などの植物性タンパク質よりも、お肉などの動物性タンパク質のほうが、体内に早く同化するようです。
アメリカの最新・栄養研究の詳細を見てみましょう。
全てのタンパク質食品の構造は同じではない
アメリカのアーカンソー大学の研究により、冒頭のような事実がわかってきました。
これは、決して、肉食中心の食生活を推奨するものではありません。
あくまで、何らかの目的があって、体内のタンパク質量を増やしたい場合は、植物性タンパク質よりも動物性タンパク質のほうが、早く体内に吸収される、ということです。
若年の健康成人のタンパク質同化は?
研究チームは、若くて健康な成人56名に協力してもらい、様々なタンパク質食品を摂取してもらいました。
参加者は7つのグループに分けられ、以下の内容のものを食べてもらいました。
- 調理済みのビーフ・サーロインステーキ(2オンス/56g)
- 調理済みブタロース肉(2オンス/56g)
- ゆで卵2個
- 1/2カップのレッド・キドニービーンス
- ピーナッツバター 大さじ2
- 豆腐4オンス(112g)
- ミックスナッツ1オンス(28g)
これらの食品を、それぞれ食べてもらった後、正味の全身タンパク質バランスが測定されました。
アメリカの『食事ガイドライン』の基準を元に分析したところ、動物性タンパク質食品は、植物性タンパク質食品よりも、身体の同化反応を、大きく誘発する事実が明らかになったのです。
身体への同化率が高い動物性タンパク質は?
全身のタンパク質バランスを調べると、
- 牛肉
- 豚肉
- 卵
こららの動物性食品で、身体への同化率が高いことがわかりました。
これらの商品群は、必須アミノ酸の含有量と相関しているためだと考えられています。
※参考:『栄養学雑誌』
さいごに
ただし、お肉はカロリーが高く、同時に脂質も高いので、太らず、確実にタンパク質をふやしたいなら、卵が良さそうですね。
この研究は、植物性タンパク質が身体に悪いと言っているわけではないので、野菜なども一緒に、食事内容の組み合わせを考えて、タンパク質を摂取したいですね。