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『アガサ・クリスティー自伝(上)』読書レビュー

おはようございます。
本日の読書レビューは、『アガサ・クリスティー自伝(上)』です。
この本は、紙媒体で所有していたのですが、なかなか読み進めていませんでした。

 

そこで、キンドル版で購入しなおして、読み上げ機能で、隙間時間に耳読!
キンドル版だと、文庫本の約半額で購入できるのです。
今後は、本来の紙の本の購入は控え、極力キンドル版に移行しようと思います。
醍醐味は、専用端末の《Kindle Fire》に、読み上げ機能があることですね。
歩く時間、家事、雑用時の「耳だけヒマな時間」が、読書タイムに変わるのが魅力です!

さて、本書の備忘録に戻ります。
ミステリーの女王であるアガサ・クリスティーの生涯は、やはりミステリアス!?
と、思っていたら、作家になる前のアガサは、ブルジョワ階級の一お嬢様という感じでした。
特別なお金持ちでもなく、貴族でもありませんでしたが、
ご両親は、ご先祖からの遺産で、働かずに暮らしていけて、メイドを何人か雇って生活できる人たちでした。
アガサは3人姉兄の末っ子。
一番上のお姉さんと、40代で亡くなるお兄さんがいました。

自伝の上巻では、アガサの子供のころの記憶から、最初の夫アーチボルト・クリスティーと出逢って、結婚するまでの生い立ちが、順追って描かれています。

アガサの姉兄は、寄宿学校へ入っていましたが、末っ子だからでしょうか、年ごろになっても学校へ行かず、ご両親のもとで暮らしながら、両親やフランス人家庭教師から教育をうけます。

特にお母様の指導が良かったのでしょう。ディケンズやシェイクスピア、オペラ、そしてイギリス・トーキィーなどの地元で開催される演劇鑑賞などで、教養を身に着けていきます。

寄宿学校を卒業した姉からは、シャーロック・ホームズシリーズのコナン・ドイルの作品を教えてもらい、探偵小説の世界にのめり込みます。
特にアガサの推理小説魂に火をつけたのが、ガストン・ルルーの『黄色い部屋の秘密』でした。
ガストン・ルルーは『オペラ座の怪人』の作者として、有名な作家で、当時まだデビューしたばかりの、注目の新人作家だったそうです。

上巻では、アガサが、子供の頃に出会った、探偵小説や文学など、推理作家としての素地が垣間見れました。

小説家として大成していく様子は、下巻に続いていきます。

上巻の最後1/5ぐらいから、最初の夫とのことが描かれています。
この男性と結婚していなかったら、後世まで残されるクリスティー作品は、残っていなかったのでしょう。
離婚後も、アガサは、ペンネームとして、元夫の姓を使い続けていますしね。

自伝の上巻を読んで、個人的に思ったことは、アガサはとても感受性が豊かで、些細なことに悩みやすい女性であったと思いました。
細やかな配慮ができる点は、名探偵エルキュール・ポワロのキャラクターとして反映されているようにも思います。

ポワロさんは、男性なのに、女性目線で事件を紐解くことが多いのも、アガサの分身だからでしょうか?

アガサ・クリスティーの人となりを読むとくにも必見書ですが、個人的には食物学を学んでいたので、イギリスの食文化にも注目して読みました。

イギリスの1910年代の食糧事情

・マーガリンが出始めたころで、人々はバターとの違いが分からなかった
・缶詰食品の登場
・アガサの母方の祖母は、晩年、「毒殺される!」と本気で悩んでおり、毒を入れにくい《ゆで卵》を食べる習慣があった
 →この習慣は、ポワロが朝食に2個の同じ大きさのゆで卵を食べる習慣に反映か?

などです。

家族の習慣が、小説の名場面に?

晩年の、アガサの祖母は、使用人に宝石が盗まれる!
と、本気で心配しており、手袋の中に隠していました!
→ これは、『ナイル殺人事件』の宝石盗難シーンに登場していた?

『スタイルズ荘の怪事件』誕生秘話

夫が戦場に赴いている間、アガサは従軍看護婦になりましたが、薬剤師試験にパスして薬剤師として働くことに!
薬剤師は看護婦と違って、仕事の待ち時間が長く、ヒマつぶしに、小説の構想を練っていたそうです。
母に小説を書いていることを打ち明けると、仕事の2週間の休暇を、郊外のホテルで過ごして、書き上げるようアドバイスを受け、ホテルにこもりました。
こうして、生まれたのが、アガサの処女作『スタイルズ荘の怪事件』です。
いくつかの出版社に依頼するが、戻ってきます。
やがて、夫が戦場から戻り、ロンドンのシティ銀行勤めになり、一人娘のロザリンドが生まれます。
主婦としての新たな生活を楽しんでいるときに、忘れていた出版の話が舞い込んで……。執筆から2年ほどの月日が流れており、まだ創作意欲もなかったそうです。

ここまでは、わりと普通(?)の人生でしたが、下巻のアガサの生涯は、波乱万丈だと思います!

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。