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アガサ・クリスティー1923年『ポワロ登場1』読書レビュー

おはようございます。
本日の読書レビューは、アガサ・クリスティーが1923年に書き溜めた、ポワロ物の短編集『ポワロ登場』です。
イギリスでは、1924年に出版されたそうです。
出版社によって、収録作品が違いますが、今回のグーテンベルク21の『ポワロ登場』1巻~7巻で、順番に読んでいきます。
1巻と2巻はKindle Unlimitedの読み放題プラン、3~7巻の5冊は、300円前後で購入できました。
ちょうどAmazonアフィリエイトから、ギフト券が約2,000円分贈られたので、
「ポワロさんからの贈り物!?」と思うことにして、3~7巻もギフト券で大人買いしました! ありがとうございます♪

第一巻の収録作品は以下の通り。

マースドン荘園の悲劇(1923年)

名探偵ポワロが、保険会社から依頼を受ける設定です。
イギリスでは、約100年前から、もう保険に入るのが当たり前だったのですね~
などと思いながら読んでいました。

マースドン荘園という屋敷の庭で、主の初老紳士が遺体で発見されました。
死因は内出血。
保険に加入したのは、つい2~3週間前で、加入時の健康診断では、健康状態は、すこぶる良い! ということでした。

保険会社が調査すると、この主の財政状態はよくなく、破産寸前であることが判明しました。

主には、親子ほど年の離れた、若い美人妻がいました。
主は、美人妻に遺産を残したい一心で、自殺したのか?

ポワロは、検死した医師を訪ねると、口から血が出ていたのは、胃潰瘍による内出血だと言う始末。
ポワロは死体解剖を促すが、医師は、自分の検死に問題ないと言い張ります。

次にポワロは、マースドン荘園に赴き、若妻を訪ねます。
噂通りの美女で、夫と亡くしたショックで、ヘイスティング大尉が話しかけても、上の空でした。

ポワロが質問を始めると、まだ結婚して一年足らずとのこと。
そして、自分の年齢をひどく気にしており、吐血が何度かあったので、自分はもう長くはなく、奥さんの生末を案じていた、という話でした。

一旦、ポワロはロンドンに帰りますが、なぜか劇団員を訪ねます。
そして、数日後、またマースドン荘園に行き、若妻に会います。
調査のため、ヘイスティング大尉と一緒に、屋敷に泊めてほしいと言い出します。

屋敷に宿泊することになったポワロは、若妻に「降霊術を信じますか?」と、またもや奇妙な質問をします。

マースドン荘園の主の霊が、若妻に逢いに来るのでしょうか?
続きが気になる方はこちら!

ポワロ登場! 1

ポワロ登場! 1

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格安アパートの冒険(1923年)

ヘイスティング大尉が、ある女性から、とても条件の良いアパート《モンタギュ荘》が、格安で借りられた! という話を聴きます。
※イギリスで《アパート》というと、日本の高級マンションを指します。

その女性が友人夫妻に話を聞くと、物件を見に行ったが、断られたと聞かされます。
しかし、女性は、どうしても興味があるので、モンタギュ荘に赴き、自身の予算でも借りられるので、申し込みにいきました。
すると!? その女性が行くと、権利金なしで借りることができたのです。
備え付けの家具代は、請求されましたが、室内になじんでおり、格安でした。

ヘイスティング大尉から話を聴いたポワロは、興味を持ちます。
散歩へ行くと言って、でかけ、目を猫のように緑色に輝かせながら、格安アパートの件を語りだします。

そして、関係のなさそうな話に移っていきます。
アメリカの若手女性歌手が、行方不明になっているとのこと。

アパートの持ち主には、何か目的があるのでしょうか?

ヘイスティング大尉の友人の女性は、美人とのこと。

ポワロは、どんな真相を掴んだのでしょうか?

ハンター荘の謎(1923年)

インフルエンザに罹ったポワロは、依頼のあったハンター荘の事件を、ヘイスティング大尉に託します。
ヘイスティング大尉は、ポワロの指示通りに調べ、戻ってポワロに話す……。
ポワロは、ベッドで熱にうなされながら、灰色の脳細胞を駆使して、事件を解決する物語です。

ハンター荘に住む主が、銃殺され、ロンドンのジャップ警部が捜査にあたっていました。
ヘイスティング大尉は、ジャップ警部と一緒に、主の姪の話を聞きます。
家政婦の証言では、ある男と言い争った後、銃殺されたとのこと。
ジャップ警部は、捜査線上で、主の大学時代の友人で、お金に困っている男に疑惑の目を向けますが……

ヘイスティング大尉は、電報でポワロに捜査内容を送りますが、ポワロからの返事は、家政婦や姪の服装を教えろ、というものでした。
ジャップ警部が疑いの目を向けた男は、見当違いのようです。

なぜポワロは、女性の服装に注目したのでしょうか?

百万ドル公債の盗難(1923年)

当時は、公債盗難が各地で多発しており、ポワロは探偵業よりも、泥棒になったほうが儲かるのでは?
とヘイスティング大尉に、冗談交じりで話すほど!
そんな中、巨額の自由公債が、ニューヨークへの輸送中に、何者かに盗まれます。
ポワロとヘイスティング大尉は、その公債の責任者のフィアンセと会います。
美しい25歳ぐらいの女性でした。
彼女の話によると、公債の責任者、つまり彼女のフィアンセの名は、フィリップ・リッジウェー氏といいます。
フィリップには、叔父がおり、銀行の共同支配人とのこと。
彼女の依頼で、ポワロは、盗難事件の謎を紐解きます。
フィリップは、結婚を控えていたとはいえ、大金が必要だったのでしょうか?

誰かにはめられたのでしょうか?

フィリップは参考人として、囚われの身。
ポワロは救い出せるのでしょうか?

グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件(1923年)

ポワロは、ヘイスティング大尉と、グランド・メトロポリタンという老舗ホテルに泊まって、休暇を楽しんでいました。

そこのラウンジで、宝石好きのある老婦人と出会います。
でっぷりと太った老婦人ですが、なかなかチャーミングです。

夫人は、ご主人と休暇で訪れていました。
ご主人は、仕事で成功するたびに、妻に高価な宝石を買い与え、最近では、三連真珠だったとのこと!

夫人は、ぜひポワロに見せたい! と申し出て、部屋に戻っていきます。
しかし、真珠は盗まれており、彼女のメイドが疑われます。
メイド部屋のベッドから、その真珠が見つかったのです。

不審に思ったポワロは、そのメイドの経歴を聞くと、8年も仕えているとのこと。
8年も仕えていれば、わざわざ休暇中に宝石を盗らなくても、いつでも盗めるはずですね……。

夫人の部屋と、メイド部屋はつながっており、ポワロは部屋を隈なく調べます。
夫人の部屋の備え付けのタンスの中から、チョークの粉のようなものを発見します。

メイドの部屋に行くと、メイドはタンスを使っていないのか、埃だらけでしたが、一か所だけ、四角いものを置いたあとがありました。

その後、ポワロは、ホテルのメイドを呼び、あるカードを渡して、「見たことがあるか?」と訊きます。
ボーイにも、同じカードを渡して、同じことを聞きます。

自室に戻ったポワロは、ヘイスティングに、今夜中にロンドンに行く! とあわただしく、駅へ向かいます。

ポワロは、ロンドンへ、何をしに行ったのでしょうか?
8年も仕えたメイドの仕業だったのでしょうか?

チョークの粉、メイドやボーイに見せたカード、メイド部屋のタンスの埃……。
小細工が光る!名作です。

ポワロ登場! 1

ポワロ登場! 1

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さいごに

短編小説は、かなり集中して読むか、聞くか(キンドルの読み上げ機能)しないと、お話の意味が、読み取れないですね。
長編小説よりも、読み解くのに、頭を使うなぁ~と思いながら、読みました。

短編小説は、まだアガサが、前夫アーチボルト・クリスティー氏と結婚生活を続けていた時に書かれたものです。

クリスティーの自伝を読むと、当時、アガサは夫と、娘と暮らすアパートを探していて、気に入った物件の契約を抑えた思い出などをつづっています。
その時のエピソードが『格安アパートの冒険』にいかされたのでしょう。

前夫は、海軍をやめた後、銀行マンになりましたが、ゴルフにはまっており、なかなか金遣いも荒かったようです。

約100年前は、女性が働く手段は、ほとんどなく、夫は、「君には小説を書く才能があるから稼げるだろう」などと話していたそうです。
短編小説は、ある雑誌に連載され、アガサは収入を得ることができました。
当時のアガサは、きっと100年後まで、それらの小説が読み継がれるとは、思っていなかったでしょうね。

ありがとうございました!

 

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