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免疫力と野菜の関係9~免疫細胞の活性化と理想的な食生活

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今までの『免疫力と野菜の関係』の中で、免疫システムには、自然免疫と獲得免疫を操る伝達分子が存在しているということ、そして自然免疫と獲得免疫の相乗効果を測り、免疫システムの司令塔的な役割を果たす「樹状細胞」の存在などをお話ししてきました。そしてまた、キーとなる樹状細胞のお話になりますが、本日は、樹状細胞の活性化と理想的な食生活についてお話していきます!

樹状細胞を活性化させるうえでも食生活は最も重要です。樹状細胞も他の免疫細胞と同じく食物から造られているからです。

樹状細胞を含め、細胞を構成しているのは、主にアミノ酸(タンパク質)、水、コレステロール(脂質)。これらの材料がなければ、樹状細胞自体の骨格を維持することができません。

ダイエットなどでコレステロールをカットするケースも増えていますが、細胞膜はコレステロールでできているため、過剰なコレステロールカットは、好ましくないのです。

また樹状細胞の機能を活性化させるには、様々な栄養素が必要となります。乳酸菌やファイトケミカルもその一つ。樹状細胞の材料である良質なタンパク質や脂質で樹状細胞を造り、それに加え、発酵食品や野菜をバランスよく摂れる食生活にすることが、樹状細胞を活性化させる、理想的な食生活と言えます。

すべての栄養成分を挙げると収拾がつかなくなるので、本日は乳酸菌を含む「プロバイオティクス」をクローズアップします。

 

プロバイオティクスとは、「腸内フローラバランスを改善することにより動物に有益な効果をもたらす生菌添加物」(Fuller, 1989)と定義されています。つまり、腸内を善玉菌優位にして、便秘などの悩みが少ない腸内環境にしてくれる食品といえばわかりやすいでしょうか?

プロバイオティクスが含まれる食品は以下の通り。

  • ヨーグルトなどに含まれる動物性乳酸菌
  • キムチやぬか漬け、野菜のマリネなどに含まれる植物性乳酸菌
  • 納豆菌
  • 味噌などの発酵調味料

特に納豆の主原料である大豆には樹状細胞を造るのに欠かせない良質なタンパク質や便秘を防ぐ食物繊維、腸管の粘膜を強化するビタミンB群などが豊富に含まれています。さらに、乳酸菌と同様、腸内の樹状細胞を活性化させる納豆菌も含まれ、免疫力を上げるのに適した食材と言えるでしょう。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は腸内の樹状細胞に刺激を与え、活性を強化する働きがあります。

納豆やヨーグルトを食べる習慣のある方は、比較的、風邪をひいてもすぐに治り、インフルエンザの予防注射を打たなくても、感染しにくく、便秘の悩みも少ない!? という方が多いのではないでしょうか?

食品なので、薬のような即効性もなく、効果効能も薬事法の観点から言いきれるものではありませんが、食品の機能性として、多くの研究が行われているので、できる範囲で取り入れてみましょう!