糖質オフや低糖質ダイエット、低GIなどなど白米などの炭水化物を食事から抜いてしまうよう、推奨する食事法が定着してきましたね。それらを総称して「ローカーボダイエット」などと呼びますが、数年前から冷ご飯などに含まれるレジスタントスターチの研究報告がいくつも発表され、時代は「ハイレジ」にうつっていくようです。ダイエットのために白米を控えていた方には朗報かもしれません!?
ハイレジとは?
ローカーボダイエットは簡単に言うと、炭水化物を食事から抜いてしまう、または極力減らすダイエット法です。ご飯に関しては、冷めるとレジスタントスターチが生まれ、食物繊維と似た働きをするので、整腸作用が望めるので、「ハイレジ」食に向いていますが、一方のパンやパスタなどの小麦粉製品は、小麦特有のグルテンなどが腸内環境を悪くする上、冷めた状態でもレジスタントスターチの含有量が少ないため、「ハイレジ」食には向いてない模様です。いずれにせよ、パン食、パスタ、ピザなどはダイエットには不向きなようですね。
さて、ハイレジとは、レジスタントスターチの含有量が多いものを食べることです。麦類でも大麦はグルテンが微量でレジスタントスターチの含量が多いため、近年見直されている”麦ごはん”などはハイレジに適しているでしょう。他に、加熱すると炭水化物に変わる、かぼちゃ、いも類、大豆、小豆、ソラマメ・いんげん・ヒヨコマメなどの豆類、とうもろこしなどが挙げられます。
レジスタントスターチは、一度加熱調理し、その熱が冷めていく過程で作られる成分なので、生のかぼちゃやいも類、とうもろこしには含まれていません。また、それらを再度温めなおすと、レジスタントスターチはまた消えてしまいます。(また冷めればレジスタントスターチが形成されます)
レジスタントスターチは以前から確認されていた成分ですが、ヒトでの健康作用が確認され出したのは、ここ数年の研究報告からです。
ハイレジ食品の整腸作用とは?
野菜に多く含まれる食物繊維は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2つに大別されますね。
不溶性食物繊維は、大腸で吸収されず、便となって排泄されます。その際、腸壁の老廃物などをお掃除しながら排泄へと向かうので、デトックス作用が望めます。
水溶性食物繊維は、大腸の途中で善玉菌のエサとなるので、腸内環境を良くするお手伝いはしますが、大腸の奥までは届きません。
ここで、レジスタントスターチの出番ということになります。
大腸の奥には、実は大腸がんの発生源となる悪玉菌が潜んでいます。そこの掃除ができていないと、便通が良くても大腸がんの危険性が潜んでいることになります。しかし、レジスタントスターチは、大腸の奥まで届くので、大腸がんの予防となるのです。
筆者も一時、白米を避けていた時期がありましたが、冷ご飯に含まれるレジスタントスターチの存在意義を知ってから、進んでおにぎりなどで冷ご飯を食べるようにしています。好物の寿司類や海鮮丼も、たいてい冷や飯の状態でいただくので、太るかも?という疑念も消えて嬉しく思っております。
炭水化物を全く抜いてしまうダイエットは太る?
糖質オフの観点から、夜だけご飯を控えておかずだけ食べる、という方も多いと思います。しかし、動物実験の段階ではありますが、慶應義塾大学が日本抗加齢医学会総会で発表した研究では、レジスタントスターチ入りの高脂肪食を食べたマウスは、内臓脂肪や皮下脂肪、そして体重も減っていったのに対し、高脂肪食のみを食べたマウスは体重が増加していったそうです。
揚げ物を食べる時は、野菜を一緒に摂るのはもちろんですが、冷めたご飯も一緒に食べておくと、太りにくい体質に近づけるかもしれません。
カロリーだけを考えると、一見、ご飯は控えた方が良さそうに思いますが、炊き立てご飯を避ければ、白米は冷めた状態なら食べても大丈夫と言えそうですね。
おさらい
- ハイレジ食は小麦以外の加熱すると炭水化物に変わる食材に多い。
- その食材が冷めていく過程でレジスタントスターチが生まれる。
- 冷ご飯
- 加熱して冷めたカボチャ料理
- 加熱して冷ましたいも類
ポテトサラダ、冷えた焼いも、里芋の煮物など - とうもろこし
茹でて(焼いて)から冷ましていただく - 大豆
豆乳、冷奴、大豆の煮物は冷やしたものを - 小豆
和菓子は砂糖が多いので、適量に! - 枝豆、そらまめ
お酒のおつまみは冷やし枝豆に
炊き立てご飯は、時々いただく程度にして、冷ご飯を活用し、夏本番までに太りにくい体質になりたいですね。