今年は書店に行くと、『膝(ひざ)の痛み』特集が組まれた雑誌が多いですね。
膝の痛みには様々な要因がありますが、
一番多いのが、加齢に伴う「変形性膝関節症」、
そして、関節痛です。
膝の痛みは形成外科や、整体の管轄に入り、
食べ物とは関係なさそうに思う方も多いでしょう。
しかし、膝も食べ物と深く関わっているのです。
膝は軟骨生成の働きがキー
膝の痛みには、サプリメントなどでおなじみの、
グルコサミンやコンドロイチンといった成分が重要になります。
人間の体内において、
グルコサミンやコンドロイチンは軟骨成分の働きによって、
日常生活で軟骨がすり減ったとしても、
すぐに再生し、軟骨を正常な状態に保ってくれています。
しかし、加齢に伴って患者数が多くなる「変形性膝関節症」での膝の痛みは、
グルコサミンやコンドロイチンが加齢により不足していくので、
軟骨が正常な状態を保てなくなって、引き起こされます。
そして「関節痛」としての膝の痛みも、
やはり原因は軟骨の異常です。
加齢は仕方のないことですが、
膝の痛みに苦しむ人と、そうではない人もいます。
その違いは何なのでしょうか?
軟骨を正常に保つ栄養成分とは?
軟骨を構成する成分として、
グルコサミンやコンドロイチンがあります。
そして、DHAやEPAなどのオメガ3系脂肪酸は、
軟骨の働きを助ける成分となります。
これらを含む食べ物の摂取と同時に、
たんぱく質やカルシウムなど、
骨形成に必要な栄養成分を補う必要があります。
- グルコサミン
糖とアミノ酸が結びついたアミノ糖の1種です。
肉や魚などの食べ物を材料に、
体内でグルコサミンを合成していますが、
加齢に伴い、分解する速度が合成に追いつかなくなり、
そして合成力自体も低下してしまうので、欠乏していきます。
欠乏してしまうと、関節が変形したり、膝の痛みにつながります。
⇒ 鰻、カニや海老の甲羅、干し海老、山芋、オクラ、イカの軟骨、きのこ類など
- コンドロイチン
ムコ多糖類の1種で、水溶性食物繊維に分類されることもあります。
たんぱく質と一緒に、皮膚や血管壁、軟骨、関節など、
カラダの結合組織を構成しています。
また体組織に水分や弾力を与えているのもこの成分です。
関節軟骨の約1/3を占めているので、潤滑油のような存在でもあります。
成長期までは体内で産生されますが、
25歳を境に徐々に低下していき、欠乏していきます。
ネバネバした食品に多く含まれています。
⇒ フカヒレ、鰻、ひらめ、ドジョウ、鶏の皮など、
動物性食品の方が吸収がいいようです。
植物性食品では、山芋、里芋、納豆、なめこ、オクラ、モロヘイヤ、つるむらさきなどがあります。
- DHA・EPA(オメガ3系脂肪酸)
青背魚や亜麻仁油、エゴマ油などに含まれる不飽和脂肪酸です。
関節痛の痛みを和らげますが、酸化しやすいので、
抗酸化作用のあるビタミンEと一緒に取ると効果が高まるでしょう。
夏はモロヘイヤやつるむさきなどの野菜が旬を迎えるので、
干し海老と一緒に和え物にしたり、
鰻の蒲焼に、トロロ(山芋)をかけたり、
定番のオクラ納豆など、ネバネバ食材を、
日常的に取り入れると、難を防げるかもしれませんね。
筆者の他界した祖母は、
晩年も、膝の痛みを訴えることがありませんでしたが、
納豆を毎日食べていましたし、
外食ではよく鰻を食べに行っていました。
きっと、軟骨が高齢のわりに丈夫だったのかもません。