リコピンはトマトに含まれる機能性成分としてあまりにも有名ですね。
美容にいい、ダイエットに効果がある? など様々な解釈があるようですが、最新の研究や、『食品機能学』という学問に基づいたリコピンの機能性をお伝えします。
リコピンとは?
トマトに含まれる色素成分で、カロテノイドの1種です。
英語表記では ”lycopene” と書くので、「リコペン」と呼ばれることもあります。
機能性表示食品は2015年からスタートし、リコピンで登録された製品も数多く存在しますが、その前からリコピンの強力な抗酸化作用は注目のまとでした。
リコピンが機能性表示食品として消費者庁に登録されている内容は、
- 血液中のコレステロール値を改善する働き
- 高めの血圧を低下させる働き
の2つです。
コレステロールの働き
コレステロールは、体内では細胞膜やホルモンの材料になります。
このコレステロールを、肝臓から全身に運ぶものをLDLコレステロールといいます。
その一方で、コレステロールを回収して肝臓に戻す働きをするのがHDLというタンパク質になります。
コレステロールは悪者のように思われがちですが、このように、私たちの健康を保つためにもコレステロールの存在は大切なものなのです。
コレステロールが悪者になる時は?
しかし、血液中にコレステロールが増えすぎてしまうと、血管壁の中に入り込み、それが溜まっていくと、血液の流れを悪くしてしまいます。
その上、活性酸素などの悪影響で、コレステロールが酸化してしまうと、動脈自体が硬くなり、動脈硬化や、心筋梗塞など、血管が原因の命に関わる病気へと発展しやすくなるのです。
これを改善するには、血中の余分なコレステロールや、血管に溜まってしまったコレステロールを回収して肝臓に戻してくれるHDLを増やす必要があります。
そのHDLを増やす作用がリコピンにあるということです。
最新の研究ではどうなっているのでしょうか?
最新の研究でのリコピンの機能性
カゴメの研究では、リコピンは、 肝臓でHDLを作る能力を高める働きがあるとのこと。
体内でHDLが増えると、血中の余分なコレステロールを回収してくれる能力も高まるので、前述の血流の流れの改善や、命に関わる病気の予防につながりますね。
そしてリコピンには、LDLコレステロールの合成を低くする機能もあり、相対的にHDLの割合を高めてくれるようです。
カゴメの研究では、
1日に、15mgのリコピン摂取を継続することでこの効果が期待できる。
ということです。
以上のようなリコピンの働きは、以前から言われている「リコピンの強い抗酸化作用」によるものだそうです。
リコピンが血圧を下げる仕組み
活性酸素の影響で、血管の平滑筋と呼ばれる筋肉の働きが悪くなり、血圧が上がる場合があります。
リコピンはその平滑筋をゆるめる一酸化窒素を、活性酸素から守ることで、血圧を下げてくれるという働きがあります。
しかし、たまにトマトを食べる程度では効果は期待できないので、毎日リコピンを15mg摂り続ける必要があります。
研究では、6週間連続で採り続けると、血中の一酸化窒素の割合が増えて、血圧が下がっていくことが確認されています。
過去の記事で、トマトジュースについてご紹介しましたが、毎日トマトを食べ続けるのは大変ですが、毎日トマトジュースを飲む習慣をつければ、高血圧やコレステロールが気になる方は改善に向かうかもしれませんね。
リコピンはトマトで有名ですが、赤パプリカやピンクグレープフルーツにも含まれています。
「トマトが苦手」という方は、他の食品から取り入れて、リコピンパワーをいただきましょう。