韓国が誇る乳酸菌食品といえば「キムチ」ですね。それもキムチが嫌いだという国民が少ないのも優れたところ。
日本ではぬか漬けや納豆が伝統の発酵食品ですが、日本国民でありながら「苦手」という人が意外と多いのが悲しいですね。
韓国人は「お肌が美しい」ことでも有名ですが、最近の研究で、ニキビ予防やアトピー性皮膚炎の改善の一助、そしてヨーグルトよりも優れた整腸作用があることがわかってきました。
韓国美人の秘訣はやっぱり「キムチ」
日本では1日の野菜摂取量をクリアしている人はほとんどおらず、下回っているのが現状ですが、韓国は日本の野菜摂取量の2倍以上もあることがFAO(国連食糧農業機関)の調べでわかっています。
韓国では、3度の食事にキムチが欠かせず、少なくとも1日1回は食べているそうです。
キムチは白菜がメインで、大根やキュウリ、ニラが使われることもありますが、小鉢1皿で野菜の摂取量は70gほど。
そして韓国の焼肉店でも、魚介類のお造りでも、温かいお鍋でも、かなりの種類の野菜が出てきます。
葉野菜で焼肉やお造りをくるんで食べるのが習慣となっているので、野菜が不足することがないようです。
こうした野菜摂取が当たり前のお国柄なので、韓国美人は肌がキレイなのですね。
そしてキムチ特有の「キムチ乳酸菌」もカギです。
「キムチ乳酸菌」の最新研究
韓国中央大学の研究では、キムチ乳酸菌は、ヨーグルト同様、整腸作用や、全身の代謝をよくする作用が確認できていますが、さらにカラダの免疫機能の活性化に優れていることがわかってきました。
ニキビなどのオイリー肌や、アトピーをはじめとする乾燥肌は、カラダの免疫機能が弱っているとひどくなります。
しかしキムチ乳酸菌をとっていると、ニキビや乾燥肌を悪化させる炎症性物質の活発化を抑えることがわかってきたのです。
そしてヨーグルトよりも優れている点は、キムチ乳酸菌が腸まで生きた状態で届くということです。
多くのヨーグルトに含まれている乳酸菌は、胃に入ると、胃酸で乳酸菌が死活してしまいますが、キムチ乳酸菌は胃酸に負けず、腸にたどり着くまで生きているのです。
そのため整腸作用が優れているのですね。
その強さは、キムチ乳酸菌の繁殖環境にあるそうです。
キムチ乳酸菌はなぜ強い?
多くのヨーグルトに含まれる乳酸菌や、日本の伝統調味料などに含まれる乳酸菌は、タンパク質や糖質など、栄養成分が豊富な状態で菌が繁殖していくので、ある意味「過保護」な環境で育っています。
一方のキムチ乳酸菌は、野菜類の硬い細胞壁を食べながら、他の細菌やカビなどを死滅させながら繁殖していくので、生命力が他の乳酸菌よりも強くなっていると考えられています。
そして発酵過程の初期、中期、後期と菌種も生まれ変わっていくそうです。
キムチは浅漬け状態だと、初期の乳酸菌なので、辛味が強く感じます。
一応乳酸菌は発酵されていますが、まだヒトの体内の免疫機能に及ぶほど強くはなっていません。
中期になると発酵が進んでまろやかさが出てくるので「甘さが際立つキムチ」となります。
初期のものよりかはパワーアップしていますが、まだ甘いキムチだと、美味しさは感じても、ニキビやアトピーの毒素に打ち勝てません。
そして、10日以上たった、後期のキムチ乳酸菌になると、酸味が増えていき、「ややすっぱいキムチ」になっています。
この酸味が強力で、ニキビやアトピーの予防や改善になるほど免疫力がUPしているのです。
韓国中央大学の研究では、発酵後期のキムチ乳酸菌を12週間以上摂取すると、アトピー性皮膚炎の改善がみれたと発表しています。
また皮膚だけではなく、発酵後期のキムチを1ヶ月食べ続けた肥満男女22人のデータ解析でも、体脂肪が減少していることがわかりました。
キムチの取り入れ方
韓国の食卓のように、毎日3度の食事でキムチをとるのは難しいかもしれませんが、週に2~3回は取り入れてみたいですね。
キムチ納豆や、キムチご飯をはじめ、いつものお鍋に、キムチを1パック入れるだけでも食べやすいですね。
焼肉やお造りは、キムチ一口分と共に、葉野菜で巻いて食べると、野菜の摂取量もアップできるでしょう。
お味噌汁の具、パスタの具、ラーメンのトッピング、メインディッシュの付け合せに、使ってみましょう。
特にニキビや、冬の乾燥肌に悩んでいる方は、改善するまで毎日食べると免疫力がUPしそうですね。
免疫力が上がると、風邪やインフルエンザなどの菌も寄せ付けないので、冬の病気予防にもなるでしょう。