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大豆イソフラボンは少量摂取でも筋肉の委縮を防ぐ?

日本人の食生活はお米とともに、大豆とも深く関わりがありますね。
お味噌、豆腐、納豆、煮豆などは平安時代にはもう食べられていたという記録も残っているほど。
こうした大豆食品には、共通して「大豆イソフラボン」が含まれています。
この大豆イソフラボンが体内に入るとアグリコンという形で吸収されていきますが、東京工業大学の研究で、筋肉の委縮を防ぐ働きがあることがわかってきました。

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大豆イソフラボン・アグリコンとは?

『食品学』や『食品化学』といった学問上、大豆イソフラボンは、食べる前の”大豆”の中では“糖”と結合した形で存在しており、これを「配糖体」といいます。
そして私たちが、大豆食品を食べて体内に入ると、腸内細菌の働きで“糖”が切り離され、「アグリコン」という形で吸収されると考えられています。

こうして体内に取り込まれたアグリコンは、筋肉の筋線維にあるアポトーシス経路をブロックする働きがあることがわかってきました。
アポトーシス経路とは人間のように無数の細胞から成り立つ生物に見られる経路で、細胞の死に方の1種です。
細胞は毎日、一定量が死滅し、一定量が新しく生まれていくものですが、筋肉の筋線維の細胞が死にやすくなると、高齢者に多いサルコペニア(加齢性筋減弱症)を引き起こすので、サルコペニアの緩和策としてもアグリコンの働きが期待されているのです。

大豆由来のサプリメントでもアグリコンの働きが期待?

東京工業大学のマウスを使った実験では、イソフラボンのサプリメントが使われましたが、全体の食事量の0.6%にイソフラボンが含まれていれば、筋肉の委縮が防げることがわかりました。

実験ではイソフラボンのサプリメントを含むエサと、普通食のエサを、それぞれ2週間食べさせた2つのマウスのグループにわけ、経過が観察されています。

そうすると、普通食のグループよりも、イソフラボンを含む食事のグループは、体内でアグリコンとなった物質の影響で、筋線維が大幅に太くなっていき、予め神経切除によって委縮していた筋肉の回復が有意に見られたということです。※参考:『欧州栄養学雑誌

マウスは人間と生体構造が大変似ているので、この現象を人間にあてはめて考えてみると、加齢に伴い、筋肉が委縮してしまった高齢者の体力づくりに、大豆イソフラボンが大いに役立つことがわかりますね。

また、近年、男性も女性も、座りっぱなしでデスクワーク、特にパソコン作業をする人が増え、若年層でも、筋肉委縮が起こっています。
そうした人たちの筋肉の健康にも、大豆製品の摂取は重要だということですね。

日常生活で大豆イソフラボンを摂るには?

大豆イソフラボンの量は、前述のように、1日の食事量全体の0.6%程度でも筋肉の健康が保てるようですし、サプリメントでも大丈夫とのこと。
特に座り仕事の多いビジネスパーソンや、最近めっきり動かずに、大半を座って過ごしている高齢者の方は大豆製品を少しでも摂るよう心がけましょう。

  • 1日1食にはお味噌汁を取り入れる。
  • 豆腐や高野豆腐を食べるようにする。
    • 豆腐ハンバーグ
    • 高野豆腐の煮物
    • 湯豆腐
    • 肉豆腐(すき焼き)
    • 麻婆豆腐
    • 白和え
    • おから など
  • カフェラテやカフェオレ、カプチーノのミルクを豆乳にする
  • お弁当やご飯のお供に煮豆や五目豆、黒豆、金時豆などをプラスする。
  • ビールのお供の枝豆(冷凍食品を取り入れれば冬でも食べられますね)
  • おからクッキー、大豆粉のホットケーキなど