糖質オフブームで「太る」原因とされたご飯ですが、近年の冷たいご飯でのレジスタントスターチの存在で、徐々に名誉挽回となり、個人的には嬉しく思っています。
さて、温かいご飯の時に、「レジスタントスターチは出現されない」とされていますが、ご飯を油で炒める過程でも、別の種類のレジスタントスターチが出現することがわかってきました。
詳細を見てみましょう!
ご飯を油で炒めると出現するレジスタントスターチとは?
このブログでも、冷たいご飯のレジスタントスターチ(RS)の存在は、何度も触れていますが、この場合の分類は「RS3」という”老化デンプン”に該当し、お米を炊いたり、温めたり、加熱した後、冷めていく過程で出てくる難消化性デンプンです。
これからお伝えするのは、ご飯を油で炒めた場合、ご飯粒を油膜でコーティングされた時にまれる「RS5」というものです。
レジスタントスターチ研究の第一人者、海老原博士による提言で、RS5の場合は、ご飯が温かい状態でも、ご飯粒が油膜に包まれていれば、腸内で食物繊維様として働き、腸内細菌のエサになることがわかりました。
チャーハンは糖質オフOKメニューだった!
糖質オフの観点では「チャーハン」(焼き飯、ピラフ)は糖質の固まりで、NGメニューに入っていましたが、これらは、ご飯を油で炒める代表料理ですね。
冷たいご飯とはまた別の種類のレジスタントスターチ(RS5)が出現しているので、食物繊維同様「血糖値の上昇を防げる」のです。
油で炒めるので、普通の炊き立てご飯よりもカロリーは高くなりますが、血糖値を乱高下させないことの方が大事なので、チャーハンやピラフはダイエット中でも、食べ過ぎなければ、取り入れても大丈夫ということです。
ラーメンよりも、むしろ健康にいいメニューと言えそうですね。
チャーハンやピラフの栄養価は?
チャーハン(焼き飯)やピラフは、細かく刻んだ野菜がよく使われています。
具沢山のものだと、ご飯と同量ぐらいの野菜が入っていることもあります。
隠し味に玉ねぎやネギ、そして彩がキレイになるピーマンやニンジンが王道ですね。
玉ねぎやネギは、加熱するとオリゴ糖が生まれるので、これも腸内細菌のエサとなるので、食物繊維様の1つとして挙げられています。
ピーマンやニンジンは緑黄色野菜なので、β-カロテンが豊富です。
β-カロテンも、油と一緒に摂ると、カラダへの吸収がよくなり、各器官の粘膜を健康に保ったり、免疫力をUPするというメリットがあります。
ハムや焼き豚が入っていたり、ピラフなら海老などの魚介類が入っていますし、多くの場合、炒り卵も入っているので、1品で、タンパク質食品も補えます。
こうして見ると、チャーハンが健康や美容にいいメニューと思えてきませんか?
リゾットや雑炊、おかゆもオイルをプラス
リゾットや雑炊、おかゆは、ご飯が多めの水分で粥状になっているので、炊き立ての白米よりも、もともと食品のGI値自体は低いですね。
それに、オイルをプラスすると、ご飯が油膜でコーティングされるので、腸内細菌のエサとなる可能性が高まり、腸内環境の改善がさらによくなるかもしれません。
イタリア料理のリゾットは、元々オリーブオイルやチーズなどの脂質が含まれていますが、和食の雑炊や中華粥などは、ごま油をプラスするといいでしょう。
ついでに、風味も豊かになりますし、油分をプラスすると、味がハッキリと感じられるので、塩分や調味料も薄味に仕上げることもできます。
さいごに
糖質オフの一大ブームで、偏った食生活に拍車をかけているような状況になっていますが、結局、昔から日本人の命をつないできた”ご飯”は、ヒトに優しい食べ物だと感じるのは、筆者だけでしょうか。
「ご飯が悪者ではない」という研究報告がまた1つ増えて嬉しく思います。