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ビタミンAの過剰摂取は骨を脆くする? 北欧・研究

ビタミンAは食事から普通に摂取している分には、皮膚粘膜を健康に保ったり、目のロドプシンに働きかけ、目の健康に役立ちますが、サプリメントなどで過剰に摂取すると、骨が脆く、骨折しやすくすることがスウェーデンの最新研究でわかってきました。
詳細を見てみましょう。

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ビタミンAの過剰摂取は危険?

ビタミンAは、ウナギや牛赤身肉に含有量が多く、特に、妊婦さんは過剰摂取を避けるよう、日本では注意喚起が促されていますね。
また、緑黄色野菜や色の濃い果物にもビタミンAが多い、と書かれている本なども見かけますが、たいてい植物に含まれているのはβ-カロテンなどカロテノイド系の成分で、体内に入ってからビタミンA様に変わります。
そのため日常生活で緑黄色野菜を食べすぎたところで、ビタミンAの過剰摂取レベルには達しないでしょう。

問題は、美容や健康目的で、ビタミンAのサプリメントをせっせと摂っている人たちです。
サプリメントからビタミンAを摂ると、食事から摂れたビタミンAなどとプラスして1日の推奨量よりも4倍以上摂るケースが出てきます。
そうすると……!?

スウェーデンのヨーテボリ大学の研究によると、マウスにビタミンAの推奨量を4倍以上超える量を与えると、有意に骨がもろくなっていくことがわかったということです。

ビタミンAの働きとは?

ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康を守り、目のロドプシンに働きかけて、視覚の正常化や成長に関与するという、ヒトにとって大切なビタミンの1つです。
しかし人間の体内では合成できないビタミンなので、肉や乳製品、野菜類、一部の魚介類から摂取しておかなければいけません。
普通に食事をしていれば、これらの食品はだいたい摂っているものなので、ビタミンAは推奨量にまでおよぼなくても、必要最小限は摂れているので、サプリメントは最終手段として、あえて加える必要はないかもしれないのです。

ビタミンAの過剰摂取を長く続けると骨折しやすくなる?

以前から、ビタミンAのサプリメントを利用している人に、骨折者が多いということは、世界中の研究者たちが指摘していました。
しかし、実際に、研究データとして調査した例は、今回の研究がはじめてで、その予測を裏付けたことになり、注目が集まっているようです。

研究ではマウスを対象に1~2週間の短期的に、ビタミンAを過剰投与しました。(推奨量の13倍~142倍相当)
そうすると、わずか8日後には骨が薄くなり始め、骨折のリスクが高まったということです。
このように、短期間だけのビタミンAの過剰摂取でも骨が脆くなることから、長期にわたってのビタミンAの過剰摂取は、非常に危険だということがわかったのです。
※参考:『内分泌学雑誌』2018年10月

サプリメントがもたらす問題が世界的に増えている?

日本と違い、多くの国々は医療費を実費で払わなくてはいけないため、予防医学としてビタミン類のサプリメントの需要が伸びています。
しかし、サプリメントの過剰摂取による、新たな病気が増えており、深刻化しています。
日本でもサプリメントを愛用している人口が増えつつあり、サプリメント治療を進める医療機関も増えていますね。
ビタミンAの過剰摂取としてあがっている問題が「骨のもろさ」なので、サプリメント愛用者の人は、改めて、内容を見直してみましょう。

さいごに

骨が脆くなってしまうと、骨折だけではなく、骨祖鬆症や骨に蓄積されているカルシウムなども一緒に減るので、イライラなどの原因になります。
骨とビタミンAは一見、関係ないように感じますが、過剰摂取の影響で骨が脆くなるのは避けたい現実ですよね。

和食の基本「一汁三菜」をベースとした食事内容なら、それを洋食に置きかえたところで、野菜類からのβ-カロテン、肉類や魚介類からのビタミンA摂取が程度に実現できるでしょう。
ビタミンAは乾燥肌対策や疲れ目対策に、確かに必要なビタミンです。
しかし過剰に摂ったところで、カラダが健康を守るために必要とする量は決まっているので、過剰摂取とならないよう、くれぐれも気を付けたいですね。