妊娠中にパンやパスタ、スイーツ三昧など、糖質過多な食事を摂り、カラダが高血糖状態になっていると、将来、その女性の糖尿病罹患率や、生まれてくるお子さんの小児肥満の確率が高くなるそうです。
アメリカの最新研究を見てみましょう。
妊娠中の高血糖は10年後の母体と子どもに影響?
妊娠中に血糖値が上昇しやすいものばかりを食べて、高血糖状態になっていると、そうでない妊婦さんと比べて、そのわずか10年後に、糖尿病の発症の可能性が高くなるうえ、そのお子さんも小児肥満になりやすい、ということが、アメリカのノースウェスタン大学の研究でわかってきました。
これは「妊娠糖尿病」とはまた別のものになるそうです。
妊娠中の食事、糖質過多が招く悲劇とは?
研究では「妊娠糖尿病」の定義にはあてはまらない母親の血糖値の状態を調査し、その後、追跡調査をしました。
また、過体重や小児肥満の子ども約4,800人の肥満指数、体脂肪率、皮下脂肪厚、胴囲のデータを収集し分析しています。
その結果、妊娠中に高血糖状態であった女性の11%が、出産後10~14年間のあいだにⅡ型糖尿病を、また42%が全糖尿病を発症していたそうです。
一方、妊娠中に高血糖状態ではなかった女性では、Ⅱ型糖尿病の発症は2%、全糖尿病は18%でした。
そして妊娠中に高血糖状態であった母親から生まれた子どもは、肥満指数、体脂肪率、皮下脂肪厚、胴囲、全てにおいて、平均値よりも増加傾向でした。
妊娠中の食事は、ダイレクトにお子さんの未来に影響してしまうようですね。
高血糖状態ではない母親から生まれた子どもの肥満率が10%であったのに対し、高血糖状態の母親から生まれた子どもは19%が肥満であったということもわかりました。
※参考:『米国医学会誌(JAMA)』
妊娠中の食事内容を見直そう!
アメリカでの調査とはいえ、日本でもありうることなので、注意しておきたい研究発表ですよね。
共稼ぎ世帯が増えている中、産休を取って、出産準備に入られる方も多いことでしょう。
お祝い事なので、菓子折りや差入に、スイーツを口にすることが多いと感じるかたは、ダイレクトにお腹の赤ちゃんに響くので、控えておきましょう。
また、出産前に入院すると、果物の差入も多くなりますが、糖度の高い桃、マンゴー、バナナなどは摂り過ぎないように注意しておきましょう。
普段、仕事と家庭の両立に頑張っている人ほど、産休の間は、自分へのご褒美と、赤ちゃんへ栄養を送るためにカロリーの高いものを食べ出す人もいます。
くれぐれも、糖度の高いスイーツや、即エネルギーとなる炭水化物ばかり食べないよう、気を配る必要があるのです。
さいごに
食生活は毎日のささいなことで、何を食べているのかも、すぐに忘れてしまいがちですが、カラダはそれを記憶していて、将来の健康に左右してしまうことがわかりますね。
特に糖尿病は妊娠の有無にかかわらず、毎日の食事が響く疾患なので、野菜やタンパク質食品も取り入れ、カラダの高血糖状態が続かないよう、注意しておきましょう。
特に今の季節、ハロウィンで魅惑的なスイーツが出回っているので、誘惑に負けないよう、気を引き締めましょう。