ビタミンB群の1つ「ビタミンB12」が体内で不足すると、あらゆる病原菌への感染リスクが高まるそうです!?
アメリカの最新研究を見てみましょう。
ビタミンB12が体内で欠乏すると?
アメリカのライス大学の研究によると、まだ動物実験の段階ではありますが、人間の遺伝子と70%以上類似しているという線虫を用いてビタミンB12欠乏の場合の、体内の様子が観察されました。
用いられた線虫は、「C・エレガンス」と呼ばれるもので、人間と同様、体内でビタミンB12を合成できない虫だそうです。
ビタミンB12を食事から得られず、体内で不足すると、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)という必須アミノ酸の代謝能力が低下して、C・エレガンスの健康を、著しく阻害しました。
具体的には、このアミノ酸の分解能力が低下することで、その副産物が体内のミトコンドリアの健全性を奪ってしまい、体内で毒素が蔓延したのだそうです。
ビタミンB12は病原菌からの感染を守る?
C・エレガンスのエサにビタミンB12を多く含ませた場合と、そうでない場合を比較すると、ビタミンB12が多い場合は、ストレス耐性に優れ、熱やフリーラジカル、そして院内感染菌として知られる「緑膿菌」や「フェカーリス菌」への感染などを防げることがわかりました。
逆に、ビタミンB12が不足した状態になると、まず体内のミトコンドリアが損傷され、C・エレガンスは、人間で言うガン細胞が増殖したような状態になったそうです。
研究者たちは、今後、ビタミンB12の摂取は、ガン治療をはじめ、あらゆる感染症の予防や改善に役立つかもしれないので、新たな研究目標ができた、と述べています。
※参考:『プロス遺伝学』2019年3月
ビタミンB12を含む食品とは?
私たち人間は、ビタミンB12を体内で合成できないので、食事から摂取する必要があります。
ビタミンB12は「ビタミン」と名がつくので、野菜や果物を思い浮かべがちですが、ビタミンB12に限っては、植物性の食品にはほとんど含まれていません。
よって動物性食品から摂取する必要があるのです。
肉類ではレバー類に多く含みますが、しじみやあさり、牡蠣などの貝類に多く含まれています。
他に、いわし、サンマ、サバ、イカ、煮干し、そして海藻では海苔にも含まれます。
ベジタリアンの方は、ビタミンB12の供給源が少ないので、海苔や必要に応じてサプリメントで補う必要があるでしょう。
さいごに
ビタミンB12不足は、以前から、女性の貧血やめまいを起こしやすくすることで知られていましたが、新たな研究で、感染症への恐れがあることもわかりましたね。
ビタミンB12についての詳細は、以下のホームページでもご紹介しているので、気になる方はぜひご覧ください。
⇒ http://wbn-japan.com/vitamin_b12/