高齢女性に限っては、ビタミンDを推奨量の3倍摂ると記憶力や学習能力がUPするようですね。
しかし、デメリットもあるとのこと。
アメリカの最新老年研究を見てみましょう。
ビタミンDは不足しやすいビタミンだが……
アメリカのラトガース大学の研究で、50~70歳の女性を対象に、3つのグループに分け、ビタミンDと記憶力の関連、そして健康効果などが調査されました。
グループの詳細は以下の3つ。
- 【A】1日600IUのビタミンD摂取
- 【B】1日2,000IUのビタミンD摂取
- 【C】1日4,000IUのビタミンD摂取
とし、それぞれ1年間摂取しつづけてもらい、経過を観察しました。
その結果【B】グループの女性が記憶力と学習能力が改善されたそうです。
しかし、【C】グループでは、ビタミンDの摂取過多なのか、改善は見られなかったそうです。
ビタミンDを摂取しすぎると反応が遅くなる?
しかし、【B】グループは記憶力や学習能力が高まったのはいいのですが、物事の反応時間が遅くなるというデメリットがありました。
また【C】ではビタミンD量が多すぎるので、有意に反応時間が遅くなったそうです。
反応時間が遅くなると、高齢女性では転倒やケガのリスクが高まる場合があるので、注意が必要かもしれない、と研究者たちは述べています。
また、この研究は、高齢女性を対象としているため、男性や一般成人でも同様の作用があるかどうかも検討する必要があるそうです。
※参考:『老年医学雑誌シリーズA』2019年2月
ビタミンDは世界的に摂取不足傾向
とはいえ、ビタミンDは、世界的に見て、推奨量に達しておらず、ビタミンD不足の人が多いのも現実です。
ビタミンDを含む食品が魚介類やきのこ類など限られた食品しかないので、サプリメントを利用する人が多く、そうすると、今度は過剰摂取の恐れが出てきます。
幸い日本では和食を中心の食生活を補っていると、魚介類やきのこ類が食事から補えますよね。
サプリメントではなく、こうした食事からビタミンDを程度に摂取しておくのが理想でしょう。
またビタミンDは、日光を浴びることで、皮膚で合成されるので、日焼けに注意して、短時間だけ日光浴をするのもオススメです。
さいごに
加齢と日々の記憶力が乏しくなるのは、比例しているとも言えるので、アラフィフ世代に近付くと、記憶の維持にも努めたいと思う人も多いでしょう。
安易にサプリメントに頼るのではなく、どんな栄養がどんな食事に含まれるかも研究しておきたいですね。