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病院食を個別栄養メニューにするべき?スイス・研究

一度でも入院したことがある方は、病院食の体験をしたことがあると思います。
特別なアレルギーがない限り、入院患者さんは、ほぼ共通の食事がまかなわれますが、以前から医師や研究者たちの間でその環境が患者さんにとって良いのか? 議論が交わされていました。
それを個別栄養メニューの食事献立に変えると!?
スイスの最新栄養研究を見てみましょう。

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病院食は個別栄養メニューにするべき?

一般に「病院食はまずい」などと言われていますが、入院時の食事は、決まった時間に配膳され、特別なアレルギーや食事制限がない限り、だいたい入院患者はどの人も塩分と脂質が控えられた共通の食事がまかなわれます。

もちろん管理栄養士や栄養士、調理師の方々が、栄養成分の配合などを熟考して献立が決まるわけですが、味付け云々は別として、やはり個人でその食材が体質にあうか、あわないか、という問題は生じますよね。
また、病気の進行具合で食欲がない場合もあります。

そこでスイスのバーゼル大学などの共同研究で、入院患者2,000人を対象に、個別栄養メニュープログラムを導入して、その後の体質改善の経過を観察しました。

個別栄養メニューは病気の進行を遅めてくれる?

この研究は、入院患者の生活の質を高める目的もあり、そして病気で飲食自体が困難で、タンパク質とカロリー摂取が不足するケースもあるので、その改善目的もあったそうです。

研究ではまず、対象者を以下のように2つのグループに分けました。

  • 【A】一般の病院食
  • 【B】栄養士が個別に栄養計画を立てた食事

個別メニューは、病気の進行度に合わせて、食事だけではなく、経管栄養や静脈内栄養も含まれているとのことです。

1ヶ月後、経過を観察したところ、【B】グループの個別栄養の患者さんたちは、体内のエネルギーとタンパク質量のバランスがとれ、食事以外の治療プログラムもそれに伴って全面的に改善の方向へ進んだということです。
また、【A】グループの病院食の患者さんよりも、合併症や死亡率のリスクも低下したとのことです。

栄養不足は個々に管理すべき!

この結果をふまえ、研究者たちは、病気の進行は、食事の偏りからの栄養不足によることが大きいので、入院患者は特に、個別栄養メニューに特化するべきだと述べています。
※参考:『ランセット』2019年4月

さいごに

健康の大切さは、入院するほどの病気をして、はじめて気づくことも多いですよね。
もちろん生まれながらの病気や例外もありますが、残念ながら、大多数の病気は、食事や生活習慣などの自己管理が悪いことで引き起こされると考えられています。
日頃から食事バランスに気を付け、特に野菜の摂取機会は増やしておきたいですね。