ビタミンDとオメガ3系脂肪酸のサプリメントは、様々な健康機能向上効果が期待され、利用されている方も多いことでしょう。
しかし、カナダの最新臨床化学研究で、どちらも全身の様々な炎症を低下させる効果はほとんどないことがわかってきました。
詳細を見てみましょう。
オメガ3系脂肪酸サプリで摂らない方がいい?
カナダのブリティッシュコロンビア大学などの共同研究により、冒頭のような結果がわかってきました。
研究では、対象者にビタミンDかオメガ3系脂肪酸のサプリメント、または両方のサプリメントを1年間服用してもらい、全身性炎症への影響を調査しました。
- ビタミンDのみの摂取
- オメガ3系脂肪酸のみの摂取
- 両方の摂取
この3つのケースについて、「炎症バイオマーカー濃度」をテストしたのです。
その結果、1年間、上記の1〜3のどの摂取パターンでも、バイオマーカーは減少しなかったそうです!
すなわち、ビタミンDやオメガ3系脂肪酸のサプリメントを、毎日せっせと飲んでいても、全身のあらゆる部分の炎症は低下しないということです。
オメガ3系脂肪酸サプリは高感度CDPを低下するが……?
対象者の中で、魚の摂取量が少ないため、オメガ3系脂肪酸サプリを利用していた人たちに限っては、高感度CRP(炎症・感染症の臨床マ-カ-)が低下したそうです。
しかし研究者たちは、
ビタミンD、オメガ3系脂肪酸、どちらのサプリメントを摂取しても、炎症マーカーの減少は認められなかった。しかし、日ごろから魚の摂取量が少ない人に限っては、炎症関連のバイオマーカーの減少が認めらました。
と述べています。
※参考:『臨床化学』
さいごに
やはりビタミンDもオメガ3系脂肪酸も、サプリメントではなく、食品から摂取するのが良さそうですね。
ビタミンDを含む食品は、きのこ類です。また短時間の日光浴で紫外線を少し浴びることで、皮膚で合成され、ビタミンD摂取をすることができます。
そしてオメガ3系脂肪酸を含む食べ物は、魚介類、クルミなどのナッツ類、えごま油などです。摂りすぎると「油」なので、ニキビなどの原因になりますが、えごま油ならティースプーン1杯、ナッツなら掌で軽く一握り程度の摂取がおすすめです。
食生活が偏ると、栄養補給に便利なサプリメントですが、やはり真の食べ物からの摂取がいいということがわかりましたね。