日本でもベジタリアン対応のカフェやレストランが増えつつありますね。
欧米ではその人口はもっと多いと聞きます。
ベジタリアン(ビーガン)の人たちは、各国が推奨している栄養基準を無視してまで菜食主義を貫こうとしていますが、その理由とは一体何なのでしょうか?
アメリカの最新調査の詳細を見てみましょう。
ベジタリアンになる理由とは?
日本の一部のモデルさんや、各国の著名人にベジタリアンと公表している人が多いですが、彼らの多くは「環境保全」や「動物愛護のため肉を食べない」と主張しています。
しかし、アメリカのカリフォルニア大学の最新調査によると、菜食主義になる理由は、人それぞれだが、結局追求すると「自分自身の健康のため」であり、環境や動物愛護を理由にしている人は「ほとんどいない」ことがわかってきました。
アメリカとオランダでの調査では?
研究チームは、アメリカとオランダにおいて、さまざまな人種や年齢の約8,000人の菜食主義者たちを調査しました。
菜食主義者になった理由を主に調査したところ、「自分自身の健康」と回答した人がほとんどで、「環境保全」や「動物愛護」を第一の理由にあげたひとはほとんどいなかったそうです。
しかし、菜食主義を貫き、その団体活動に参加するうちに、環境保全や動物愛護に目覚めたという人は多くいたとのことです。
菜食主義者になった人たちの心理とは?
この研究には心理学者もメンバーに加わっており、
菜食主義者となった理由で、最も多いのが「健康」と関連していました。主に健康を理由にしている人たちの多くは、菜食主義のアドボカシーに反応する可能性が最も低いともいえる。
と述べています。
ここでいう"アドボカシー"とは、冒頭で述べた「環境保全」や「動物愛護」など菜食主義をベースとした活動のこと。
心理学者たちは、菜食主義者たちの本当の理由が「自身の健康」であるという事実は、アドボカシー活動を行っている人たちに課題を生むのではないか、と懸念しています。
課題の解決策はあるのか?
心理学者たちによると、菜食主義活動の課題の解決策の1つとして、様々な団体には、それを立ち上げた時の個々の動機があり、その動機に注目することだそうです。
調査を進めていくと、ベジタリアンになった理由が「健康」という人は、「健康になりたい」動機が、社会のしきたり(太ってはいけない等)や男らしさ(女らしさ)に関連してきます。
しかし、ベジタリアンになった理由やその後に「環境」や「動物愛護」に目覚めた人たちは、好奇心が強く、経験を受け入れやすく、ボランティアをしたがったり、芸術に強い興味を示す傾向があることもわかってきました。
ベジタリアンになる理由でその人の行動がわかる?
この結果をふまえ、ベジタリアンとなった人たちの理由別に、行動の範囲も分析できるそうです。
研究者たちの推測によると、ジムや教会に通うベジタリアンの多くは「健康」を理由にしている人たち、博物館やコンサートを好むベジタリアンは環境や動物愛護の観点を強調するだろう、ということです。
※参考:『プロスワン』
さいごに
野菜や果物を中心とした食生活は、確かに健康にプラスになります。
しかし、菜食主義を追求するあまり、肉類や魚介類でしか摂取できない栄養が不足して、逆に健康を害する例も多く出ています。
健康改善は、医師や栄養士と相談して食生活を有意義なものにしたいですね。