世界的に問題となっている「肥満」。
肥満人口を減らすため、ノンカロリー甘味料が世界各地で普及しましたね。
アメリカの統計ではありますが、アメリカでは、ここ16年ほどでノンカロリー甘味料の消費が大幅に増えたそうです!
その結果、肥満をはじめとした生活習慣病は減ったのでしょうか?
アメリカの最新研究を見てみましょう。
- 直近16年でノンカロリー甘味料の消費量が増加!
- ノンカロリー甘味料の種類は?
- 種類別!ノンカロリー甘味料の消費率とは?
- 子どもがいる世帯では?
- 人種によるノンカロリー甘味料の消費率は?
- 各甘味料による健康被害の懸念とは?
- さいごに
直近16年でノンカロリー甘味料の消費量が増加!
アメリカのノースカロライナ大学の研究によると、2002年から2018年の16年間に、ノンカロリー甘味料の消費量が大幅に増加したとのこと!(アメリカ国内)
それに伴い、砂糖などのエネルギーのある甘味料や、砂糖の入った食品の消費も減少したそうです。
また飲料については、各世帯や人種によって、消費の仕方が偏っていることも判明!
ノンカロリー甘味料のみを購入するパターンと、ノンカロリー甘味料と加糖飲料の両方を購入するパターンの2極化が見られたそうです。
ノンカロリー甘味料の種類は?
ノンカロリー甘味料の種類は、以下の通り!
- アスパルテーム
- サッカリン
- レバウジオシドA
- スクラロース
研究では、アメリカで供給されている食品パッケージに明記されているノンカロリー甘味料の種類より、2002年と2018年とで比較検討が行われました。
種類別!ノンカロリー甘味料の消費率とは?
比較検討の結果、発がん物質があると指摘のあった「アスパルテーム」と「サッカリン」を含む製品の摂取頻度は減少傾向でした。
一方で、「スクラロース」は38.7%から71.0%へUP!
「レバウジオシドA」は0.1%から25.9%へと上昇していることがわかりました。
子どもがいる世帯では?
また、子どもを持つ世帯では、子どもがいない世帯と比較して、ノンカロリー甘味料やそれらを含む食品の購入率が格段に上がったとのこと!
この結果により、研究者たちは
「公衆衛生上、肥満予防として、砂糖の消費削減にはつながったが、ノンカロリー甘味料の摂りすぎによる健康被害の懸念も浮上してきた」
と述べています。
人種によるノンカロリー甘味料の消費率は?
さらに研究を進めていくと、
非ヒスパニック系白人は、ヒスパニックおよび非ヒスパニック系黒人と比べて、約2倍のノンカロリー甘味料製品を購入していました。
しかし、非ヒスパニック系黒人だけを見てみると、加糖製品とノンカロリー甘味料製品の両方を含む購入率が2018年までに42%も増加していることがわかりました。
各甘味料による健康被害の懸念とは?
砂糖の健康被害は周知のとおりですが、ノンカロリー甘味料の摂取と健康被害の報告も上がってきています。
これまでに上がってきた報告によると、
- 体重増加
- Ⅱ型糖尿病
- 代謝障害の発症増加
などです。
結局、砂糖そのものの消費が減ったとしても、別の形で糖質を求めてしまう結果、肥満や生活習慣病の予防にはつながっていないのかもしれませんね。
研究者たちは、
「砂糖の過剰摂取は、慢性の代謝疾患と強く関連しているので、砂糖消費量の低減は公衆衛生上の重要な課題です。
これにより、食品業界は大きく進歩し、ノンカロリー甘味料の供給も増加しました。
しかし、ノンカロリー甘味料は、肥満や糖尿病などの予防になったという報告と、逆の報告、両方の報告結果が出ていることから、ノンカロリー甘味料の特定成分の解析が、今後の課題となっている」
と述べています。
※参考:『栄養食事療法アカデミー雑誌』
さいごに
砂糖の過剰摂取は確かに肥満などの生活習慣病を増加させますが、ヒトは「グルコース」を必要としている生き物でもあります。
ノンカロリー甘味料には、グルコースが入っていないため、小麦粉やコメ製品などから、違う形でグルコースを求め、肥満人口が結局、減っていないのかもしれませんね。