テレビや映画を見ながら、間食するクセがある人はご注意!
特にサスペンスやミステリーなど、知覚的要求が大きい番組は、満腹感に気づかず、知らない間に完食していることが多いのだそう!
イギリスの最新「食欲」研究の詳細を見てみましょう。
テレビを見ながらの完食は満腹感に気づかない?
イギリスのサセックス大学の研究によると、知覚的要求が大きいことを実行しながら、ものを食べてると、満腹感に気づくことが難しくなることがわかってきました。
以前より人間は、興味のそそられることに従事していると、余分な飲食の量を抑制するのが難しい生き物だと、考えられていました。
それを踏まえて、研究チームは、120名の参加者を対象に、エネルギー量の高い飲料と低い飲料、そして注意を要する物事と注意を要さない物事を与えて、経過を観察しました。
知覚的要求が大きい作業はエネルギーを欲する?
研究者たちは、参加者が知覚的要求が大きい作業に従事すると、開始時に飲んだ飲料とほぼ同量のスナック菓子を食べることを発見!
しかし、知覚的欲求の低い作業を行っている場合は、追加のスナック菓子の量を制御することができたそうです。
ただし、参加者はカロリーの高い飲料摂取後は、低い飲料の後と比較して、45%、スナック菓子の摂取量が少なかったということです。
知覚的欲求が高い時、脳はいくつかの感覚情報を排除?
これまでの研究によると、知覚的欲求が高い(感覚が総動員されるような事柄や作業)状態のとき、脳はいくつかの感覚情報を排除することがわかっていました。
今回の研究では、「感覚」と「満腹感」に関連する、初の栄養情報が同様に排除されることがわかったといいます。
その内容とは?
感覚と満腹感に関する栄養情報とは?
人間は強く興味をそそられる物事を実行している場合、注意力が散漫になっています。
その状態で食べたり飲んだりしていると、自分がどの程度満腹感を感じているのか、わからなくなるのです。
これは、健康的な体重維持を求める人たちにとっては、とても重要な感覚です。
もし、TVや映画を見ながら間食するクセがあるなら、スリラーやミステリーは聴覚的、視覚的情報が多いので、あなたは満腹になっているのに、その感覚に気づくことができないでしょう。
テレビゲームやクロスワードパズルを日常的に行っている人も、同様です。
満腹感という感覚は過去の記憶が基準?
我々人間の「満腹感」という感覚は、過去の経験に基づいているのだそうです。
食物の外観やテクスチャーなど、その食物がどの程度、満腹感を感じさせるか?
という予測に影響を受けることを、我々の脳は覚えているのです。
満腹感は、我々の脳が処理する知覚情報の量に影響しているのです。
映画をみるとポップコーンを食べ続けてしまう?
この研究の120名の参加者たちの行動を観察すると
知覚的欲求の高いタスクを行っている人ほど、満腹感を感じなくなり、スナック菓子をより多く食べ続けたそうです。
これは、映画(TVドラマ)に集中しているはずなのに、ポップコーンを食べ続けてしまう食行為にも当てはまりますね。
これは一見、映画やTVに集中していないように見えますが、実は、脳で満腹を感じにくくなり、一部の感覚がマヒして「食べ続ける」「飲み続ける」という行為を起こしているそうです。
この研究結果は、
「人の脳が認識できる知覚情報の量には限界がある」
ということを証明した、最初のエビデンスになったようです!?
※参考:『食欲』
さいごに
コーヒーを飲みながら読書をしていると、あっという間に、カップが空になっていたことがあります。
これも本に集中するあまり、コーヒーを味わわず、知らずに飲み干していたのでしょうね。
ノンカロリーのドリンクならいいですが、スナック菓子や加糖飲料を無意識に食べ続ける(飲み続ける)のは、肥満の原因となるので、くれぐれもTVや映画鑑賞時の飲食には、注意しておきたいですね。