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加齢と共に高血圧になるメカニズムとは? 日本・研究

若い頃は低血圧だったのに、40代以降になると高血圧に悩む人が多くなりますね。
そのメカニズムはどうなっているのでしょうか?
その詳細が日本で発見されたようなので、詳しく見てみましょう。

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加齢による高血圧は血液にカギが?

東京大学と信州大学の共同研究によると、加齢に伴う高血圧の発症には、血液中の抗加齢因子の減少がカギとなっていることが発見されました。
この抗加齢因子を投与することで、食塩による血圧上昇も抑制できることも明らかに!

高血圧はサイレントキラー

高血圧は、特に痛みを感じるわけではなく無症状なのに、様々な疾患や死に至る病を引き起こすため、「サイレントキラー」という別名もついています。
高血圧は世界中で問題視されており、多くの高齢者が治療困難と診断されるほど、適切な予防や指標が定まっていません。

塩分過多はどのようにして高血圧に?

そこで、塩分の多い食事は、どのようにして高血圧を引き起こすのか、その正確なメカニズムがやっと解明されたのです!
それには腎臓で生成される抗加齢因子「クロトー」の欠乏が関与していたのです。

抗加齢因子「クロトー」とは?

「クロトー」とは、初めて聞く方も多いことでしょう。
この因子は腎臓から血中に分泌される抗加齢タンパク質で、ホルモンとして作用します。
しかし、その量は年齢と共に減少していくので、それに伴い血管や動脈系を硬くしてしまっているのです。
最近の研究では、血中クロトー濃度と血圧の塩分感受性は逆相関することもわかってきています。

高血圧は感受性も関連する?

高血圧症は塩分の過剰摂取によって引き起こされますが、血圧の塩分に対する感受性は個人差があります。
なので、感受性の強い人は、より高血圧になりやすいということになります。
一般に、若者は、感受性が低いので、高血圧になる可能性が低いと考えられています。
一方の高齢者は塩分に敏感で感受性が強くなっているので、高血圧を発症しやすいのだそうです。

こうしたメカニズムまでは発見できたのですが、残念ながら、高齢になると、どうして塩分感受性が上昇するのか? というメカニズムまではわかっていなかったのです。

高齢マウスで塩分感受性の増加を確認

そこで研究グループは、高齢マウスを用いた実験で、塩分感受性が増加することを確認。
その原因は、抗老化因子「クロトー」タンパク質の血中濃度が、年齢と共に減少することを発見。
また、加齢によるクロトー減少で、高食塩を摂取した際、クロトーにより抑制されていた血管の収縮経路が過剰に活性化して、血圧が上昇するまでの分子メカニズムを、初めて解明できたとのことです!

クロトーが増えれば高齢でも高血圧予防に?

さらに実験を進めていくと、高齢マウスにクロトーを投与して、血中レベルを若いマウスと同程度まで回復できると、その後に高食塩のエサを食べても、血圧が上昇しないこともわかりました。

この結果により、クロトーの補充が、高齢者の高血圧発症予防になることが解明できたとのこと!
また、血中のクロトーレベルが、高血圧発症の予測マーカーになることも示したそうです。

クロトーの減少は認知症やサルコペニアも影響?

さらに加齢によるクロトーの減少は、認知症やサルコペニアの発症、そして筋肉量の減少にも関連している可能性が高いそうです。
その発症メカニズムも研究が進められているので、近い将来、その関連性が発表されることでしょう。
※参考:『臨床研究雑誌』

さいごに

クロトーを増やすには、食事からタンパク質を摂ることも大切ですが、ビタミンDの摂取もカギを握るそうです。
キノコ類や、サンマ、イワシ、ウナギの蒲焼で、ビタミンDも補っておきましょう。
これからの季節は、キノコ類やサンマが美味しい時期なので、血中クロトー濃度を上げるためにも、食べておきたいですね。