イギリスも国民の肥満問題を抱えている国の一つです。
世界に先駆けて、様々な肥満政策が取り組まれていましたが、大部分が失敗しているようです。
その原因を、ケンブリッジ大学が発表!
詳細を見てみましょう。
イギリスの肥満対策失敗の背景は?
イギリスのケンブリッジ大学の研究報告によると、イギリス政府の肥満政策の失敗は、実施そのものに、問題があったとのこと。
環境ではなく、個人の行動変容に焦点を当てているのが、失敗の原因だと指摘!
28年間の肥満戦略を分析すると?
研究班は、1992~2020年の28年間に及ぶイギリス政府主導の14件の「肥満戦略」を分析しました。
この14件の中には、さらに689件にも及ぶ、広範囲な政策も含まれていました。
そのうち、7件の戦略を分析すると、肥満だけではなく、喫煙や食品安全など、非肥満政策を含んでいたのです。
また、別の7件の戦略では、食事療法や身体活動など、肥満関連の方針のみが含まれていました。
こうした調査により、政府主導の14件のうち、
- 12件に肥満の軽減目標が含まれていた。
- この12件中の5件のみに具体的な数値目標が掲げられていた。
という事実が判明しました。
28年たっても肥満問題は解決の兆しなし?
研究者たちは、
約30年にわたり、イギリスの歴代政府は、肥満に取り組むべく、何百もの政策を提案してきました。
しかし、依然として肥満人口が減る兆しはありません。
これらの政策には多くの、そして大きな欠陥があり、実施することが困難であったのです。
また、過去の過ちから学ぶことなく、一貫して同じ過ちを繰り返しています。
政府は、既に提案されている政策を実施するよりも、リサイクルされた政策を含む、別の戦略を発表する可能性が高いからです。
と述べています。
科学的根拠のある政策は20%弱
そこで、研究チームは、実際に肥満に対して効果的で、かつ実装に必要な7つの基準を特定して、現在の肥満政策を検討しました。
そうすると、政策の8%ほどしか基準を満たしていませんでした。
- 肥満対策として、監視や評価計画を含む政策は24%
- 化学的根拠に基づく政策は19%
- 詳細な予算計画を含んでいる政策は9%
ということでした。
※参考:『季刊ミルバンク』
さいごに
政府主導の肥満政策なら、国民は安心して取り組みそうですが、実態は落ち度が多々あったようですね。