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拒食症患者の神経回路を発見か? アメリカ・研究

10~20代前半の女性に多い『拒食症』。
別名『摂食障害』とも言いますが、スリムな女性像を目指し、食べることを拒否し、いつしか「食べることが怖い」という恐怖感に怯えるようになります。
こうした状況がひどくなると「拒食症」と診断されます。
人によって、拒食症に至る人と至らない人がいますが、これにはある脳のニューロンが関与していたそうです
アメリカの最新研究を見てみましょう。

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拒食症患者の神経回路が発見?

アメリカのミシガン大学などの共同研究により、脳のある受容体を標的にすると、拒食症に関係する摂食行動や不安行動が改善することが発見されました。
これはまだマウスによる動物実験の段階ではありますが、ヒトにも同様の現象が起きると、拒食症の治療が大きく前進するので、早速注目されています。

拒食症患者の神経回路はどうなっている?

これまでの研究では、拒食症の患者には、「AgRP」と呼ばれるタンパク質を運ぶニューロン(神経回路)に障害があることがわかっていました。
こうしたニューロンは、ヒトの摂食行動をコントロールする脳の「視床下部」と呼ばれる領域に存在します。
研究では、マウスの「AgRP」ニューロンを除去して様子を観察しました。
このニューロンを除去すると、摂食障害が始まりました。
一方で、このニューロンを活性化させると、過剰な食欲と肥満になることも観察されました。
「AgRP」ニューロンが働かないと拒食症になり、活性化しすぎると過食症になるようですね。

「AgRP」ニューロンの調整に着目!

現在、「AgRP」ニューロンを標的にして摂食行動をコントロールする治療薬は存在していません。
今回の研究で、「AgRP」ニューロンが拒食症と逆の過食症の原因神経回路だということが判明したので、マウスの「AgRP」ニューロンを人工的に調整してみることに成功。

「AgRP」ニューロンを活性化しすぎないよう調整すると、拒食症であったマウスは、不安行動がなくなり、食欲が安定したようです。
そして体重は普通体重に向って、増加されたとのこと。

メスの方が「AgRP」ニューロンがコントロールしやすい?

「AgRP」ニューロンを司る『Mc3r g遺伝子』というものも体内に存在します。
メスのマウスには視床下部の領域にこの遺伝子発現のニューロンが、オスのマウスよりも、はるかに多く存在することもわかりました。
またヒトの場合も、同様に女性の方が遺伝子発現のニューロンが多いとのこと。

『Mc3r g遺伝子』を標的にすると拒食症が改善?

研究チームは、マウスと違って、ヒトの場合は直接「AgRP」ニューロンを活性化させるのは難しいので、『Mc3r g遺伝子』を標的とした治療薬などの開発で、拒食症を治療したり、肥満者の体重減少の治療にも活かせるのではないか、と考察しています。
※参考:『サイエンストランスレーショナル医療』

さいごに

脳の神経回路は複雑に絡んでいますが、原因物質の発見は大きいですね。