おはようございます。
本日の読書レビューは、アガサ・クリスティーの『ゴルフ場の殺人』です。
ポワロものの第2作目! 長編小説では3冊目の作品となります。
1923年に書かれたものですが、当時の人々の娯楽が、どんなものかが垣間見える作品でもあります。
出版社によって日本語版のタイトルが違い、グーテンベルク21社の場合は『ゴルフ場殺人事件』となっていますね。
名探偵ポワロと、ヘイスティング大尉のコンビが、ゴルフ場で見つかった遺体の捜査に臨む難事件!
当時の中産階級の人たちは、演劇やサーカスなどのお芝居、ゴルフなどに興じていたようですね。
さて、ロンドンにいたポワロは、フランスのパリ郊外に住む、あるお金持ちの知人から、「命が狙われているかもしれない」という依頼を受けます。
そこで、ポワロは、早速、翌日にヘイスティング大尉と一緒に、フランスへ向かいますが、最寄り駅についても、迎えの車は来ていません。
その知人のお屋敷は、名門ゴルフクラブのすぐすばだったので、クラブハウスへ向かいます。
しかし、その知人が亡くなったというニュースを耳にしたのです。
昨日、依頼があったばかりなのに? なぜ?
同行したヘイスティング大尉は、インドのカレーから、ロンドンに戻ったばかりでした。カレーからロンドンへ向かう列車の中で、ある美しい曲芸師の女性と知り合いました。名前を訪ねると「シンデレラ」と答えました。
本名ではないことは、明らかです。ヘイスティング大尉は、もう会うこともないと忘れてしまいました。
しかし、パリでまた再会することになり、どうやら、依頼のあったお屋敷と関係があrそうなのです。
主人がいなくなった屋敷には、妻と成人した息子も同居していました。
妻は、主人が亡くなった日、カラダを縛られ、猿ぐつわをはめられ、ベッドで身動きできない状態でした。そのすきに、主人は何者かに殺されてしまったようです。
息子は、前日に、父親から仕事の命を受け、国外へ行くよう命じられていました。
しかし、まだフランス国内にいたのです……。
息子が、父親の遺産目当てに殺害したのでしょうか?
被害者の屋敷の隣には、美しい母娘が暮らしていました。
ポワロが聞き込み調査に訪ねていきましたが、単なるお隣さんではなく、訳アリの様子。
母親のほうが、被害者と交流があったのか? 愛人だったのか?
娘のほうは、まだ二十歳前後。いつも不安な表情をした、薄幸そうな美女でした。
息子と、この娘が恋愛関係になっているのでしょうか?
ヘイスティング大尉が出会った、美しい曲芸師の女性も、被害者の愛人か? 息子の恋人か?
複雑な人間関係が絡み合う中、さまざまな謎が生まれてきます。
そして第二の殺人!
被害者の屋敷の納屋で、主人の衣服を着た、見知らぬ男の遺体が発見されたのです。
遺体を調べると、洋服は高価なものでしたが、手指を見ると、明らかに労働者階級か浮浪者の手です。
洋服のサイズもあっていませんでした。
殺害された後、服を交換した可能性があります。
なぜ、そのような込み入った演出が必要だったのでしょうか?
この事件を担当する警察は、パリの敏腕刑事ジロー警部。
ポワロにライバル心メラメラで、自分が手柄をたてたいため、さまざまな推理を働かせません。
焦って、犯人をあげようと、息子を逮捕してしまいます。
息子は、誰かをかばっているのか? 自分が父親を殺したと、偽りの自供をする始末。
しかし、ポワロは違和感を覚えます。
そして、今度は、ヘイスティングが大尉が出会った曲芸師のシンデレラが、凶器のナイフは自分のもので、自分が犯人だと出頭します。
またもや、ポワロは違和感を感じます。
なぜ、偽りの自供をするものが二人もいるのか?
真犯人はどこに?
捜査が大混乱の中、ポワロは、ヘイスティング大尉にも内緒で、ロンドンへ帰国してしまいます。
しかし、何かの証拠を探し当てて、またフランスに戻ってきて、事件の続きを捜査し始めました。
ポワロが仕入れてきた情報は、20年前に起きた、夫殺しの犯人についてでした。
証拠不十分で無罪となり、生まれたばかりの赤ん坊もいて、ひっそりと暮らしているようです。
その母娘とは?
長編小説3作目にして、伏線や複雑な人間模様の描写など、最後まで読者を飽きさせない工夫は、さすがですね!
100年近くまえの、推理小説とは思えない、斬新さです!
『ゴルフ場の殺人』を読むのは、これで3回目ぐらいです。
いつもはハヤカワ文庫ですが、この作品もグーテンベルク21社の電子書籍で拝読しました。
ネタバレになるので、犯人がだれか? 確かめたい方は、ぜひ本書をお読みくださいね。
グーテンベルク21社の『ゴルフ場殺人事件』なら、Kindle Unlimitedの読み放題プランで読めます!
翻訳者のあとがきには、アガサのエピソードも紹介されていて、その情報も楽しめました。
ありがとうございました!
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