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アントニー・バークリー1929年『毒入りチョコレート事件』読書レビュー

おはようございます。
本日の読書レビューは、アントニー・バークリーが1929年に発表した探偵小説『毒入りチョコレート事件』です。
バークリーは、イギリスの作家で、別のペンネーム、フランシス・アイルズ名義でも、いくつかのミステリー小説を残しています。
本業は、ロンドンで不動産屋をしていたという実業家なのですが、私生活は公表されていません。
77歳で亡くなるまで、大変、裕福に暮らしていたようです。

主人公は名探偵ロジャー・シュリンガム

この小説の主人公は、名探偵であり、小説家でもあるロジャー・シュリンガム。
ロジャーは、作家仲間や、ミステリー好きの貴族と一緒に、《犯罪研究会》を結成していました。
定期的にサロンで集まり、ある会のゲストに、モレスビー首席警部を招きました。
サロンでは、迷宮入り事件として名高い《ベンディクス殺害事件》が課題になっていました。
ベンディクスという資産家の妻が、毒入りのチョコレートを食べて亡くなった事件です。別名《毒入りチョコレート事件》として、話題になっていたのです。

毒入りチョコレート事件の概要

ベンディクス家に届いた高級チョコレートを食べて、夫人が亡くなったのですが、製造元から送られてきたので、ベンディクス夫妻は、不審に思いませんでした。
夫のほうは、甘いものを食べませんが、夫人は大のチョコレート好きで有名でした。
製造メーカーの便せんで手紙も入っていましたが、よくある挨拶状の類です。
警察の調べで、チョコレートに入っていた毒は、ニトロベンゼンでした。
夫人は3つ目のチョコレートを食べた後、容態が悪くなり、死亡しています。
致死量のニトロベンゼンを摂取する際、苦みで気付きそうなものですが、チョコレートは、かなりクセのある味なので、夫人はわからなかったのでしょうか?

参加者6名が推理して犯人探しがスタート

《犯罪研究会》のサロンに集まっていた参加者6名は、モレスビー警部から、事件の詳細を聞き、それぞれの名推理によって、犯人を捜すことになりました。
女流ミステリー作家、上級弁護士、評判の女性劇作家、女たらしの男爵、目立たず小心者だが抜群の推力を持つ男、そして主人公のロジャーの6名です。

ベンディクス氏は資産家ではなかった?

6名は、それぞれの推理力を駆使しながら、ベンディクス氏を調べます。
資産家ということですが、いろいろ調べていくうちに、事業がうまくいっておらず、資金繰りが大変なようです。
ある、調査では、妻の他に愛人がいた説。
妻が裕福で、その資産があるので、資産家と呼ばれていた。
お金のために、結婚しており、ほとぼりが冷めたら離婚して、愛人と結婚するつもりだった……
なかなか、問題があるようです。
なるほど、妻を亡き者にすると、事業資金は潤うかもしれませんね……

6人の中に正解者はいるのか?

ベンディクス氏の動機や、証拠、毒入りチョコレートの郵送方法など、あらゆる検証がおこなわれましたが、果たして6人の中に正解者はいたのでしょうか?

女たらしの男爵は、男女の三角関係の情報調達に優れており、ベンディクス夫妻が、事件の前日に夫婦そろって劇場に出かけていた……などの情報集めに長けていました。
推理力のある小心の男は、劇場の休み時間から逆算して、ベンディクス氏のアリバイを検証します。

女性作家2名は、持ち前の想像力を働かせます。
弁護士は、法律面から、事件を紐解いていきます……。
そして、名探偵の名を誇る主人公ロジャーの出した結論は?

多くのミステリー作家も支持する名作

この作品は、ミステリーファンの中では有名で、日本の大御所、江戸川乱歩氏も絶賛していました。
コナン・ドイルやアガサ・クリスティーほど、多くの作品を残していませんが、キレのある、印象深い小説を残しているので、必見です!
古き良き時代のロンドンの様子も垣間見れて、違う楽しみ方も!
デパートへ行って、箱入りの高級チョコレートを買いたくなりました。
後世に残る、謎解きミステリーをありがとうございました!

 

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