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宇野碧2022年小説現代長編新人賞受賞作『レペゼン母』読書レビュー

今週のお題「わたしは○○ナー」

おはようございます。
今週のはてなブログのお題ですが、私は、毎日のように読書レビューを書いているので、「読書レビュアー」といったところでしょうか?

さて、本日の読書レビューは、昨年2022年度の《小説現代長編新人賞》受賞作、宇野碧さんの『レペゼン母』です。
ヒップホップのMCバトルを繰り広げる物語なのですが、なぜか、最後は涙が出てきて、なかなか感動ものでした。

主人公は60代の梅農家の女主人

主人公は、梅農家を経営する60代の女性・深見明子。
35歳になる一人息子がいるのですが、放蕩息子で、嫁を置いて出奔しています。
嫁とは気が合い、一緒に暮らしていても、何の諍いもありませんでした。
夫は、息子が4歳の時に死別し、その後、明子は、一人で子育ても梅農家の経営も、切り盛りしていました。
義娘は、息子よりも10歳ほど年下なので、まだ20代前半で若く、梅農家の社員として、働いてくれており、明子とも同居していました。

レペゼン母

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義娘からヒップポップを教わる

義娘から、ヒップポップの歌詞を学び、共通の趣味として、歌詞の韻などを覚えていくようになった明子。
出奔した息子も、好きだったと知ります。
息子は、一応イケメンなのですが、惚れっぽく、今の義娘は3人目の嫁でした。
最初の息子の結婚は、17歳の高校生の時で、子どもが生まれたのです。
明子には男の子の孫がいるはずなのですが、最初の息子の離婚で、先方から合わせてもらえず、和歌山のどこに住んでいるかも、わかっていませんでした。
息子は、別の女に乗り換えて、和歌山を離れ、二度目の結婚しましたが、また離婚。
そして、トラックの運転手をしていた今の義娘とは、ヒッチハイクで知り合ったということでした。
明子には、息子の知らない面がたくさんありました……。

ヒップポップの大会に出場

ある日、義娘が、ヒップポップの地区予選に出たいと言い出しました。
明子は、義娘の練習につきあうため、歌詞の韻や、即興で言い返す訓練を、一緒にすることになり、自身も向いているのでは? と思い始めます。
そして、地区予選の当日。
義娘が、緊張のあまり、体調を崩してしまいます。
明子は、義娘の練習の成果をムダにしたくないため、「母として代理出場します」と宣言し、舞台に立ちます。
運営側は、初めてのケースだが、禁止事項ではないので、OKしたのです。
なんと、明子は、地区予選を突破し、東京で行われる全国大会への出場が決まりました。

息子が四国で逮捕!?

さて、東京行が決まり、梅農家の社員たちも、社員旅行がてら、明子の大会を見に行くことに!
東京大会が近づいたある日、一本の電話がかかってきます。
香川県警から、息子が逮捕されたとのこと。
明子が息子に会いに行くと、大麻所持でした。
しかし、使用はしておらず、所持していただけなので、罰金を払えば、すぐにでも釈放されるとのこと。
息子と面会すると、ある目的のために、逮捕歴が欲しかったので大麻を手に入れたとのこと。
一体、何の目的があったのでしょうか?
「釈放金は出さない!」
と言い残し、明子は和歌山へ帰ります。

息子の今の正体は?

義娘に一部始終を話した明子は、ある動画サイトを見せてもらいます。
そこには、ヒップポップの四国予選の優勝者が映っており、明子の息子でした。
義娘は、戸籍上はまだ夫であるので、明子の息子の性格だから、わざと軽い犯罪を犯して、逮捕され、それをネタに、東京大会に進出したいのでは?
と言い当てます。
明子はまた、息子の知らない一面を理解し、物悲しい気持ちになりました。

東京大会

明子は、息子を釈放させると、折り合いの悪い親子関係を修復すべく、東京大会で、親子対決ができるよう、練習に励みます。
東京大会で、親子対決は叶うのでしょうか?
勝者には、多額の賞金とプロデビューして、活躍の場が約束されています。
出奔した息子は、親孝行できるのか?
息子に嫌われたと思い込んでいる明子は、息子とわかりあえるのか?

レペゼン母

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さいごに

ヒップポップとかコントとか、私には全然興味のない世界でした。
しかし、この小説は、私のようなヒップホップがわからない者にも、わかりやすい光景を文章で伝えてくれる筆力がありました!
最後には、涙がポロポロ……
普段、ミステリーとか暗い小説ばかり読んでいるので、心がホッコリして、読後は幸せな余韻に包まれました。
さすが、難関新人賞の頂点を極めた作品!
ぜひご一読を♪ ありがとうございました。

 

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