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『ブラック・サマーの殺人』読書レビュー ワシントン・ポーシリーズ2021年

おはようございます。
本日の読書レビューは、『ブラック・サマーの殺人』です。
M・W・クレイヴン氏が2021年に発表した作品です。
イギリスの国家犯罪班に在籍する老獪刑事、ワシントン・ポーのシリーズ第2弾!
『ストーン・サークルの殺人』の続編です。
オーディブルなら、聴き放題で耳読できます!

主役のポー刑事が殺人容疑で逮捕!?

アメリカの首都ワシントンをファーストネームに持つポー刑事は、故郷の湖水地方に戻って、半分引退したような生活を送っていました。
しかし、前作『ストーン・サークルの殺人』での活躍ぶりから、また現役刑事に戻り、今度は、ブラック・サマーと呼ばれる高級リゾート地の一流レストランでおこった殺人事件を追うことに。
この事件の犯人は、ミシュラン5つ星の高級レストランのシェフであり経営者。
容疑は、実娘の殺害容疑で、ポー自身が、6年前に逮捕した男でした。

殺されたはずのシェフの娘が生きていた?

一流レストランのオーナーシェフの名は、ジャレド・キートン。
娘の殺害容疑で6年間、監獄されていましたが、レストランは、忠実な部下たちが、シェフの無実を信じて経営を続けていました。
それも、ミシュランの星は維持したまま!
冤罪説などの話題性で、客足も途絶えず、料理も一流だったからです。
6年たった今、キートンの名は、世間からは忘れ去られたように思えましたが、キートンの娘が、発見されたというニュースが流れ、また話題に!

DNA鑑定をパスした娘は薬漬けで軟禁

発見されたキートンの娘は、DNA鑑定をパスし、ある施設でドラッグ漬けにされ、軟禁されていました。
脱そうして近くの図書館に入って、助けを求めたところ、保護されました。
しかし、移動中に行方をくらまし、またもや行方不明に!

キートンの罪が解け、ポー刑事が誤認逮捕で有罪?

発見されたキートンの娘は、保護された際に、身体検査を受けています。
キートンとDNA鑑定が一致し、親子関係が認められました。
そうなると、キートンは誤認逮捕となり、ポー刑事が逆に有罪となります。
そして、ポー刑事の屋敷から、キートンの娘の血痕が見つかり、ポー刑事が著名人のキートンを逮捕して娘を軟禁したという説も出回り始めます。
ポー刑事は、絶体絶命に!

分析官ブラッドショーが登場!

ポー刑事は、濡れ衣もいいところだと、堂々と、自身を追っている警察グループから逃げて、真実を追い求めます。
そこで、前作にも登場した、若き分析官、ブラッドショーが応援に駆け付けます。
彼女はまだ20代前半。前作によると最初の学位を14歳で取得し、数学系の博士号も持っている才女です。
ブラッドショーの統計データや分析力で、ブラックサマーという土地を突き止めます。

ブラックサマーのなぞ

ポー刑事が聞き込みを進めていくと、キートンはイギリス産の珍しいトリュフ・キノコを掘り当てていることがわかりました。
しかし、そのトリュフ販売人は、妻のもとを去り、愛人と出奔しており、行方がわかりません。
そのトリュフ販売人は、軍人であった経歴もあり、イギリス国内の、国が把握していない軍事用の地底基地などを知っていました。
それがブラックサマーなのでしょうか?

キートンの娘は偽物か?

さて、キートンの娘は、本当に軟禁されていただけなのでしょうか?
キートンは、妻を7年前に亡くしています。
妻の交通事故死を気の毒がった審査員が、ミシュランの★維持につながったという説もありました。
妻は、本当に交通事故だったのか?
ポー刑事は、キートンの精神分析も必要だと感じます。

さいごに

DNAが一致した娘は、キートンの娘であったのか?
DNAのすり替えは、生理学的に可能なのか?
もし可能なら、どうやって国家犯罪班に所属する、優秀な医師たちを欺けられるのか?
犯人がわかっていながら、証拠をどうやってポー刑事が探りあてていくのかが、醍醐味となったミステリーでした!
分析官のブラッドショーが、とてもキュートで、すっかりファンになってしまいました。
いつか、このブラッドショーが主人公の物語も出て欲しいと思いました。

一気読み必至!
テンポが速く、様々な料理も出てくるので、グルメファンの方も楽しめるミステリーを、ありがとうございました。