「酢ベジ」という野菜の保存食をご存知ですか?
名前の通り、野菜をお酢に漬けることで、レシピとしては真新しいものではありません。
しかし、お酢に漬けるので、夏場でもくさりにくく、摂食中枢に働きかけるので、ドカ食いも抑えられ、
そしてお肉や魚と一緒に食べると、食中毒予防にもなり、いいことづくめなのです!
酢ベジとは?
数年前から「酢たまねぎ」「酢キャベツ」といった、お酢に野菜を漬け込むレシピが大流行していますが、酢ベジはその総称のようなものです。
他にも野菜のマリネ、ピクルス、キャロットラペ、ドイツのザワークラウト、そして日本でも生姜やみょうがの甘酢漬けが有名ですよね。
こうしたブームのものや、以前からある伝統のレシピも踏まえ、野菜をお酢に漬けることが、「酢ベジ」として見直されているのです。
野菜をお酢に漬けるメリットは何なのでしょうか?
「酢ベジ」にするメリットは?
『調理科学』という学問上、お酢の役割としては、大きく7つあります。
そのうち、野菜に関するメリットは5つもあります。
- 防腐・殺菌効果
pHが低いので、微生物(腐敗菌など)の増殖を抑えます。
食塩を入れることで、さらにその効果が高まるでしょう。 - テクスチャーの変化
レンコンなどの根菜類を茹でる時にお酢を入れると、ペクチンを分解して歯ざわりをよくしてくれます。 - 色止め
レンコンやカリフラワーなど白い野菜をゆでるとき、褐変を抑えて、白さを保ってくれます。 - 発色・変色
生姜、みょうが、紫きゃべつや赤たまねぎなどのアントシアニン色素はキレイな紅色に発色します。 - 酵素活性の阻害
レンコンやウドなどの酸化酵素が抑制されるので、食品の保存性を高めてくれます。
野菜のキレイな色を保った上で、保存性も高め、そして殺菌力もあるので、夏場の保存食としても安心できそうですね。
酢ベジの健康作用は?
人間には、クエン酸回路といって、お酢などを摂取した時に得られる「クエン酸」がその回路に入る仕組みをもっています。
そのため、疲労回復や、脳の神経、そして血流の働きを良くしてくれるのですね。
また脳からは様々なホルモンが分泌されますが、お酢を摂取しておくと、摂食中枢が正常にコントロールされて、ドカ食いグセなどを抑える働きがあります。
逆に、精神的なストレスから食欲が落ちる場合は、食欲を増進してくれる作用もあります。
酢ベジにして、酢を摂る習慣がついていると、適量の食事を摂るコントロール力がつくでしょう。
酢ベジの簡単レシピ
お酢と野菜だけでは、酸味がきつすぎるので、甘酢漬けにするのが基本です。
基本の甘酢の作り方だけマスターすれば、応用は自由自在に楽しめますよ。
【材料】お酢200cc分
- お好きなビネガー類(穀物酢、米酢、黒酢、ワインビネガー、リンゴ酢、バルサミコ酢など)200cc
- 砂糖(ラカント・てんさい糖・黒砂糖、はちみつなど)100g(はちみつの場合80g)
- お好きな野菜200g分
【作り方】
- 野菜は食べやすい大きさにカットし、軽く蒸し、よく水気を切っておく。
- お酢と甘味料をよく混ぜ合わせる。
砂糖の粒が残るようなら、少し温めて完全に溶かしておく。 - 密封容器や保存瓶を熱湯消毒し、その中に、1と2を入れ、1晩以上冷蔵庫で寝かす。
これだけです!
お酢200cc分が作りやすいレシピですが、少量から酢ベジを試したい場合は、お酢の半量の甘味料と覚えておけば便利です。
お酢/大さじ2なら、甘味料は大さじ1ですね。
筆者個人としては白砂糖はなるべく避けた方が良いかと思いますが、お好みのビネガー類や甘味料で作ると、洋風にも和風にもアレンジできて楽しいでしょう。
日本人の野菜の摂取量は、まだまだ足りていないのが現状なので、酢ベジで、楽しい野菜習慣が広まれば、嬉しく思います。