近年、有毒植物による食中毒の報告も、増えていますね。
件数としては、細菌や微生物による食中毒よりもかなり少ないですが、命の危険に及ぶものもあるので、覚えておきましょう。
一般のスーパーで購入できる野菜は、ほぼ安心ですが、家庭菜園で野菜の種類が増えてきたり、お休みの日に山菜狩りなどにお出かけした時は、野菜と似た有毒植物にご注意!
また飲食店での、料理の彩に使われている葉っぱにも注意が必要です。
どんな種類の有毒植物があるのでしょうか?
野菜と似ている有毒植物
厚生労働省によると、近年報告が増えているのが、「イヌサフラン」という植物です。
葉は行者ニンニクの葉に似ており、また根の部分も、じゃがいもや玉ネギと見間違う人が多く、北海道では誤って食べた方の死因の疑いがあるとのことです。
山間部によくある植物なので、登山などで、収穫しないように気を付けましょう。
他、患者数が多い植物は以下の通りです。
- スイセン
お庭に植えている方も多いですね。
花が咲くと、わかりますが、花が咲いていない状態だと葉がニラや玉ねぎの葉にそっくりなので、高齢者が家庭菜園の際、誤って食べて食中毒になったケースが多く、患者数は全国で176人にのぼります。 - チョウセンアサガオ
葉がモロヘイヤや、明日葉に似ており、誤って収穫して食べてしまう人が多く、全国で患者数が48名、報告されています。 - じゃがいもの親芋(種芋)
患者数が最も多く303人にのぼっています。
じゃがいもには、芽の部分にソラニンという有毒物質があることで知られていますが、家庭菜園や、じゃがいも掘りに出かけた際、親芋を誤って収穫し、食べたケースが多いようです。
親芋は青い部分が多く、その分ソラニンの含有量が多いのです。 - あじさいの葉
今が見ごろのあじさいですが、葉が大葉やエゴマに似ています。
居酒屋や懐石料理で、竹の葉のように、料理の下にあじさいの葉が敷かれているケースがあり、誤って食べた人が食中毒になっています。
患者数は14人にのぼっています。 - トリカブト
アガサ・クリスティーの探偵小説にもよく登場する毒性のある植物で、食用や漢方で使われるニリンソウと間違うケースが多いそうです。
神経毒であるアルカロイドを含み、少量で致死量に達します。
日本の戦国時代や海外の歴史の古い戦争でも毒矢の先に塗られていました。
今でも山間に野草として生えているため、登山客などが被害にあっています。 - スズラン
葉が行者ニンニクと似ており、北海道で誤食による食中毒が起きています。
また、フレグランスの香料としても使われる、華やかな香りを持ちますが、花粉や可憐な花の部分には、38種類もの毒性をもつので、頭痛やめまいが起きます。
ブーケなどでも人気ですが、くれぐれも香りを嗅ぎすぎないようにしましょう。
昼間から、暗いお話しになってしまいましが、知らずに誤食して、苦しい思いをしてからでは遅いので、見分ける目を持っておきたいですね。
異変に気付いたら、市販薬などで済ませず、すぐに医療機関へいきましょう。
梅雨が明けると、涼しい山間でキャンプやバーベキューを楽しむ方も増えるので、ご自身はもちろん、小さなお子さまや高齢者の方が触れないよう、気を付けましょう。