DHAとEPAのオメガ3系脂肪酸は、サプリメントで摂ってもさほど意味がない?
という研究報告が、近年多くあがってきていますが、やはり魚介類から直接とると、有意に死亡リスクや生活習慣病の罹患率が下がるようです。
詳細を見てみましょう。
魚介類から直接DHAとEPAを摂ると死亡リスク低下!
中国の浙江大学等の共同研究によると、魚介類から直接、DHAやEPAなどのオメガ3系脂肪酸(n-3系脂肪酸)を摂取すると、総死亡リスクが有意に低下することがわかりました。
この研究は、男性約24万人、女性約18万人を対象とした大規模調査で、16年もの歳月をかけて追跡調査されました。
期間中、対象者の中で、男性約5万4千人、女性約3万人が亡くなっています。
こうした結果を踏まえてデータを解析したところ、魚介類からオメガ3系脂肪酸を摂取していた人たちは、早期死亡リスクが減っていました。
病気別に見ると?
研究では対象者のデータを5つに分けて分析しており、魚介類の摂取が最も多い人たちは、魚介類の摂取が一番少ない人たちと比べると……!?
◆男性の場合
- 総死亡率 9%低下
- 心血管疾患死亡 10%低下
- がん死亡率 6%低下
- 呼吸器疾患死亡 20%低下
- 慢性肝疾患 37%低下
◆女性の場合
- 心血管疾患死亡 10%低下
- アルツハイマー病による死亡 38%低下
となりました。
※参考:『内科学雑誌』
一般に、女性の方が、アルツハイマーを含む認知症になりやすいと言われていますが、魚介類の摂取が増えるだけで、もの忘れ予防となりそうですね。
男性では、慢性肝疾患の有病率の低下が一番大きいですが、お酒で肝臓を悪くする人が多いので、魚介類の摂取を増やしておくと、予防になりそうですね。
揚げ物にすると魚介類摂取の意味がなくなる?
こうしてみると、早速、「魚を食べよう!」という気がしてきますが、魚介類を揚げ物で摂ると、特に、女性では有病率や死因の数値が高くなるようです。
男性においては、特に揚げ物による魚介類摂取での死因や様々な疾患の有病率の上昇は見られませんでした。
女性の場合は、全死因、心血管疾患、呼吸器系疾患のリスクが特に増えていたそうです。 ※参考:『内科学雑誌』
さいごに
男女によって、魚介類から直接、オメガ3系脂肪酸を摂ることで、予防できる病気の種類は違いますが、男女共通して、心血管疾患での死亡リスクが下がることがわかりましたね。
心血管疾患は心臓系の病気ですが、血流の流れが悪いことも原因の1つです。
DHAやEPAに血液をサラサラにする作用が期待できることは有名ですが、その裏付けとなる調査結果だったように思います。
筆者は個人的に、アジのフライが好物の1つですが、揚げ物ではなく、なるべくお造りやカルパッチョで頂き、DHAやEPAを効率よく摂取したい、と思い直した次第です。