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高タンパク食は腎臓にダメージを与えない?加・研究

タンパク質を日頃の食事から摂っておくことは、大切なことですが、極端に摂り過ぎる「高タンパク」状態はかえって腎臓にダメージを与える、ということが一般に言われていますね。
しかし、特定の病気を除いては、健康状態の人が「高タンパク食」を摂っていても、新たに腎臓系の病気を引き起こす可能性はかなり低いそうです。
カナダの最新研究を見てみましょう。

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高タンパク食が腎臓にダメージを与えるのは都市伝説か?

健康な人が高タンパク食を摂りつづけると、やがて腎臓にダメージを与え、腎臓系の疾患を引き起こす、という説は、1980年代頃から広く知られるようになりました。
みなさんも、一度は聞いたことがあるかもしれませんね。
こうした研究は1970年代から続いており、おおよそ50年の歴史があるのですが、カナダのマクマスター大学が、これは根拠のない説で、1970年以降の論文を解析した結果、「健康な人が高タンパク食を摂りつづけていても、直接腎臓にダメージを与える原因にはならない」と結論づけました。

高タンパク食はカラダにいいのか?

研究チームは1975年から2016年に発表された論文28件のデータを解析し、高タンパク食の人、低または普通量のタンパク食の人、それぞれが、腎臓機能に与える影響を解析しました。

論文の基となった対象者の人たちは、合計で約1,300人分でしたが、この中の人たちは、健康な人、肥満、Ⅱ型糖尿病、高血圧の患者さんたちでした。
この対象者と食事からのタンパク質摂取量との関連を調査したところ、高タンパク質食であった人も、そうでない人も、いずれも腎臓系の疾患に発展した人はいなかったということです。

そのため、研究者たちは、単純に「高タンパク食は腎臓にダメージを与える」という考え方は間違っている、としています。
※参考:『栄養学雑誌』2018年11月
ただし、高タンパク食と腎臓疾患との関連の研究なので、「高タンパク食を続けても健康になる」というお話ではありません。
肉食が多い人は、適宜、ご自分の健康状態の様子を見て、調整しましょう。

高タンパク食でもバランスよくが鉄則!

「高タンパク食」と聞くと、お肉だけ食べていてもOK? という印象がありますが、やはり昔のアトキンスダイエットのように、タンパク質食品だけ食べるというのは栄養が偏るので適切ではないでしょう。

食事からタンパク質を摂っても、カラダで一度アミノ酸に分解されてから、私たちのカラダの各部位の筋肉や髪、骨、肌、爪などの材料となります。
それらがキチンと合成されるためには、野菜や果物、穀類などに含まれるビタミンやミネラルがその補酵素として働くので、これらの栄養成分がないと、タンパク食をせっかくとっても身に着かないのです。

日本人の食事摂取基準では、タンパク質の目標量は男性で60g/日、女性で50g/日です。
食品の目安は、昨日のブログでもご紹介したので、ぜひご参考に!

さいごに

野菜嫌いの人や、栄養バランスを考えて食事をするのが面倒な人は、高タンパク食のみでもOKな食事法に魅力を感じてしまうかもしれませんね。
しかし、アトキンスダイエットの考案者であるアトキンス博士は、自分の論説を全うしたにも関わらず、高脂肪・高タンパク食が行き過ぎて、肥満で亡くなったそうです。

他の食品も組み合わせた上で、高タンパク食になった場合なら、健康に害は及ばないと思うので、特に肉食系の人は、組み合わせも考えて取り入れましょう。