野菜&果物の美養栄養学

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魚の摂取量を増やすと栄養不足による病気がほぼ防げる?英・研究

世界ではミネラル(微量栄養素)が不足して病気になる人が続出しています。
ミネラルは「鉄」「亜鉛」「カルシウム」「マグネシウム」といった成分のことで、日本でも女性の鉄不足は問題となっていますよね。
イギリスの最新栄養研究では、魚を摂取するだけで、ほとんどのミネラル不足が防げ、それによる病気予防効果も期待できる、と発表しています。
詳細を見てみましょう。

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近郊の魚を食べれば栄養管理は難しくない?

イギリスのランカスター大学の報告によると、世界のどの地域でも、近郊に川が流れており、そこに棲む魚を食べるようにすれば、ほとんどの栄養不足は解決するだろうと、発表しています。
魚はタンパク質食品や、DHAなどオメガ3系オイルが含まれる食べ物として、認識している人が多いですが、鉄、亜鉛、カルシウム、マグネシウムなども含んでいます。

世界では魚を食べる習慣が少ない国もあるかもしれませんが、例えば川魚の漁獲量を、それぞれの国が増やし、国民に食べるよう推奨すれば、ミネラル(微量栄養素)不足で、苦しむ人たちの病気の予防や改善につながるとのことです。

ミネラル不足の人は世界で20億人!?

研究によると、全世界でミネラル不足に陥っている人は約20億人にのぼると考えられています。
ミネラル不足で起きる症状は、母体死亡、発育不全、子癇前症など、妊婦さんや生まれてきたお子さんに関与する例が多くあがっています。
特にミネラル不足が多い国はアフリカで、全世界標準の11%も摂取不足に陥っているそうです。
ミネラルとは、正式には「微量栄養素」といい、「ナトリウム」「カリウム」「カルシウム」「マグネシウム」「リン」「鉄」「亜鉛」「銅」「マンガン」「ヨウ素」「セレン」「クロム」「モリブデン」「イオウ」「コバルト」が含まれ、これらの多くは魚介類に含まれているのです。

世界の人類はほぼ海岸から100km以内に住んでいる

そこで研究者たちは、世界の漁獲に焦点をあてたところ、全世界の人類は、ほとんどの民族が、海岸もしくは川から100km以内に住んでいることに注目。
100km圏内で漁獲が行われていれば、内陸への輸送は、今の時代、さほど困難ではありませんよね。

そして、こうした海岸や川で漁獲できる魚介類の量は、養殖しなくても、全世界の5歳未満の子どもの数よりも多いと想定されています。
魚を食べる習慣がない国も、漁獲がさかんになれば、栄養不足で命を落とす子どもの数も減り、そして何億人という栄養欠乏の患者を救えるだろう、と述べています。

水揚げできる魚介類の総定数と世界の栄養不足患者の数値が一致?

研究では、世界で栄養不足に陥っているミネラルの種類と数値が割り出されました。
そして、水揚げできる魚介類から、種類ごとにどんなミネラルが摂れるのかを算出したところ、前者の数値とかなり近いこともわかったのです。

そのため、研究者たちは、漁獲をさかんにして魚の摂取を増やすよう、もっと各国が国民に呼びかけるべきだと述べています。

現状は、沿岸部に住んでいながら、栄養不足を訴える患者が多く、そういった人たちに、食べるべきものは、すぐ近くの海(川)にある!ということを住民に知らせるべきだとも。

実際の漁獲の事情は……!?

しかし、海や川の魚は、昔と違い、国民が無許可で水揚げできるものではありません。
研究者によれば、「国際漁業」「違法な漁業」「魚介類の貿易」「文化的慣習」などの規範が、複雑に絡み合っているため、どこの国でも漁獲が自由にできていないのが現状です。
食糧難の国々でも、魚介類という栄養源がすぐそばにあるのに、こうした規約で、栄養不良の人々は苦しんだままなのです。
※参考:『ネイチャー』2019年8月

さいごに

日本でも漁獲の規定は厳しいですが、日本は昔から伝統の和食で魚を食べる習慣がある民族です。
魚介類は一部の高級魚をのぞけば、旬もあるので、肉類よりもリーズナブルでしょう。
しかし、食の欧米化で、魚離れが進んでいるだけなので、今一度、魚やごはんを中心とした和食を見直してみましょう。