ビタミンDは日光に当たることで、皮膚から合成できる栄養素です。
しかし、北欧など高緯度の国々では、冬の間、日照時間が少ないため、ビタミンD欠乏による疾患が増えてきます。
また介護施設入所者は、日光に浴びる機会が少ないため、新型コロナウイルスに感染しやすいこともわかってきました。
イギリスの最新研究を見てみましょう。
ビタミンDの制限で高齢者の命が危ない?
イギリスのブライトン大学の研究によると、ビタミンDの効能が健康に大きく役立つため、一部の医療機関では「医薬品」として扱うようになり、サプリメントなどの使用を制限し始めているようです。
特に、日光浴ができない介護施設に入所している高齢者は、サプリメントから摂取しなければビタミンD欠乏に陥る恐れがあります。
制限の影響で、入所者のコロナ感染が相次いだケースも報告され始めているとのこと!
ビタミンD欠乏による高齢者の健康被害とは?
研究では、ビタミンDのサプリメントが「医薬品」とみなされ、使用が制限されていた施設を対象に、高齢者の健康度を調査しました。
イングランド南東部の2つの異なる地域の高齢者施設が対象となりました。
対象者の中には、医師、施設管理者、栄養士、転倒専門医、公衆衛生従事者、高齢者介護士なども含まれていました。
この施設の居住者で、ビタミンDサプリを日常的に摂取している人はいない前提で、調査が進められています。
その結果、高齢者の転倒、ビタミンD欠乏症、骨粗しょう症が診られとのこと。
ビタミンDの重要性を知る医療従事者が少ない?
また、対象者に含まれていた医療従事者たちは、インタビューの結果、ほとんどビタミンDの重要性を把握していないこともわかりました。
そしてビタミンDサプリメントを治療に取り入れるには、購入費用や、入所者の家族の経済的な負担の懸念がある、と答えた従事者も多かったとのこと。
ビタミンDサプリは安価!
イギリスでは、ビタミンDのサプリメントは店頭で安価に購入できます。
しかし、NHSガイダンスでは定期的な摂取を推奨していないため、医療従事者も特に必要性を感じていないこともわかってきました。
これを踏まえ、研究者たちは、イギリスでは、一般の人たちにとっても、冬は日照時間が少なく、食事と日光から十分なビタミンDが摂れないことをわかっていない。
もっと、ビタミンDの重要性を、医療従事者が理解すべきだと述べています。
介護施設ではビタミンDサプリの摂取が重要
特に、介護施設に入所している人たちは、外に出る人が極めて少ないので、ビタミンDをサプリで摂る必要があるとのこと。
栄養ガイドラインにサプリメントの利用も、項目に入れるべきだと、研究者たちは述べています。
※参考:『BMJ栄養、予防、健康』
さいごに
ビタミンDはキノコ類や鮭に多く含まれていますね。
特に干しいたけに多いですが、毎日食べれるものではありませんよね。
適宜、サプリを利用したり、日本では冬でも日中は日光を浴びれるので、紫外線対策をしつつ、日光を浴びる時間を10分ほどでいいので、持つようにしたいですね。