ダイエットにおいて、低脂肪食がいいのか?
低炭水化物食の糖質オフがいいのか?
協議が分かれるところですよね。
アメリカの最新医学研究によると、どちらの食事法も、一時的には健康改善になるようです。
しかし、目的別に見ると、健康効果が違ってくるようです。
詳細を見てみましょう。
低脂肪食は糖尿病治療には不向き?
アメリカの「国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(以下、NIHセンター)」の研究報告によると、低脂肪で植物性食品の多い食事をとる人は、糖質オフ(低炭水化物食)ベースの食事をとる人に比べると、血中インスリン値と血糖値が高めであることがわかってきました。
しかし、体脂肪の低下に関しては、低脂肪食の人たちの方が有意であったそうです。
低脂肪食は糖尿病の治療食としては不向きかもしれませんが、肥満予防に良さそうです。
糖尿病歴のない人たちを4週間追跡した結果は?
NIHセンターでは、代謝臨床研究において、糖尿病歴のない20名の成人を対象に、4週間の追跡調査を行いました。
参加者は2つのグループに分けられ、
- 【A】低脂肪食:植物性食品が中心
- 【B】低炭水化物食:肉類や乳製品が中心
それぞれ、2週間を過ごしてもらいました。
2週間たった後、今度は【A】【B】逆の食事をとってもらいました。
解析の結果、【A】の食事をとった場合、【B】と比べて、1日あたりの摂取量が550~700kcal少なくなることがわかりました。
そのため、【A】の方が、体脂肪が減る傾向にあるようですね。
【A】と【B】ともに、満腹感や食事の楽しみなど、感じ方の変化はなかったそうです。
低脂肪食と低炭水化物食も体重は減る!?
低脂肪食は体脂肪を減らし、低炭水化物食は血糖コントロールに役立つことはわかりましたが、体重減少に関して言えば、どちらの食事をとった時も、参加者の体重は有意に減っていたそうです。
目的別に、食事法を適宜、変更すれば、どちらも一時的には、健康度に貢献していることになるようですね。
低脂肪食の詳細は?
今回の研究で提示された低脂肪食の内容は、以下の通り!(エネルギー比率)
- 脂肪:10.3%
- 炭水化物:75.2%
- タンパク質:14%
メニューには、焼き芋、ヒヨコマメ、ブロッコリー、オレンジなどを含んでいたそうです。
低炭水化物食の詳細は?
一方の低炭水化物食の詳細は、以下の通り!(エネルギー比率)
動物性食品がベースでした。
- 炭水化物:10%
- 脂肪:75.8%
- タンパク質:14%
メニューには、パンやライスの代わりにカリフラワーが用いられ、牛肉炒めなどが含まれていました。
また、どちらのメニューにも、最小限の加工で、非でんぷん質の野菜が同量分、含まれていたとのこと。
そして、総カロリーは、どちらも同じ数値だったそうです。
どちらの食事法も短期的にメリットがある!?
この結果をふまえ、研究者たちは、
この研究の調査結果では、興味深いことがわかりました。
少なくとも、短期的には、どちらの食事法も、何らかの健康メリットがあるということです。
低脂肪の植物性食品中心の食生活は、食欲を抑えるのに役立ちます。
一方の動物性食品中心の低炭水化物食の場合は、より低く安定したインスリンと血糖値を保つことができます。
しかし、どちらも短期的なもので、長期に渡って、同じ効果が継続するかどうかは、今の時点ではわかりません。
と述べています。
※参考:『ネイチャー医学』
さいごに
どちらの食事法も、一時的に栄養バランスをあえて崩すことで、目的別の減量ができそうですね。
糖尿病予備軍の人は、低炭水化物食を、体脂肪を確実に減らしたい人は、植物性食品中心の食生活を、期限を決めて、実行してみましょう。
糖質オフは、他の研究で、長期に続けると危険だという報告が多数上がっているので、くれぐれも「期間限定」で行いましょう。